東京都が尖閣諸島買い取りへ=地権者と基本合意—石原知事

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 訪米中の石原慎太郎東京都知事は16日午後(日本時間17日未明)、ワシントン市内でシンクタンクで講演し、「日本人が日本の国土を守るため、東京都が尖閣諸島を購入することにした」と述べ、尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島を個人所有する地権者と交渉を開始したことを明らかにした。
 
 地権者との基本的な売買の合意はすでに得ており、今年中に、専門家による審議会に諮り、都議会の同意を得る方針。現在、3島は、国が年間2450万円で賃借しており、来年3月31日の契約期限が切れるのを待って、都への所有権移転を目指す。購入後は沖縄県や石垣市に共同所有を提案する考え。
 
 石原氏によると、売買交渉は昨年末にスタート。山東昭子参院議員を通じて地権者の埼玉県在住の男性と会談する機会があり、地権者が「東京都が買ってくれるのなら売ります」と話したという。現在、双方が代理人を介して協議中。会見では、「都予算は都民のために使うのが大原則では」との質問も出たが、石原氏は「国のため(になるなら)というのが大原則だ」と述べ、問題はないとの認識を示した。
 
 石原氏は尖閣諸島について、「極めて重要な島々であり、所有者は代々、国益を常に念頭に置いて、これを守ってきてくれた」と強調。尖閣諸島をめぐっては平成22年9月、中国漁船が領海を侵犯、海上保安庁の巡視艇に衝突を繰り返し、船長が逮捕される事件が発生。中国の反発を受け船長を処分保留で釈放するなど日本政府の対応に批判が集まった。
 
 石原氏は「日本の国土を守るために島を取得するのに何か文句ありますか。ないでしょう。やることを着実にやらないと政治は信頼を失う。まさか東京が尖閣諸島を買うことで米国が反対することはないでしょう」と話した。