台湾 今年の字は「憂」

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 台湾の遠東グループ徐元智記念基金会と一般紙・聯合報が共同で行った一般市民が選ぶ「2012年代表“字”選考会」の投票が12月7日に行われ、2012年は8094票を獲得した憂鬱(ゆううつ)の“憂”(ゆう)に決まった。
 今年の字が“憂”に決まったことについて、中央研究院の陳建仁副院長は、世界の終末を示す予言、国際情勢、欧州の財務危機、所得の格差拡大(M型社会)、給料低迷、物価上昇、強まる二大政党の対立、台湾の競争力低下などなど人々を憂鬱にさせる出来事が多々あったことが原因としている。
 過去数年を振り返ると、2008年は総統選挙が影響してか、“亂”(らん・乱れるの意)、2009年は政権交代からか“肦”(はん・・・希望を持つ)、2010年は“淡”(たん・・・薄い)、2011年は“讚”(さん・・・褒める)となっている。
 今年の2位以下をみると、2位は5812票を獲得した“漲”(張・・・物価上昇を表す)、3位は5124票で“轉”(てん・・・変更、転換)、4位は3812票で“感“(かん・・・感じる)、5位は3664票で”惨“(さん・・・惨め)が続いている。今年は全ての字がマイナスを表しており、不景気、物価上昇、失業率上昇、給料低下など、台湾の現状を表した人々の「心の声」である。