本格日本料理の味をそのままに 老舗「神楽家」が台湾初出店

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名古屋の老舗日本料理店「神楽家」を運営するリブレと、台湾の大手外食チェーン展円国際は25日、台北市のそごう忠孝館に「神楽家台北そごう忠孝店」をオープンさせた。神楽家は1985年の創業以来、初の海外出店となり、名古屋の料亭としても初の台湾進出となる。日本伝統の味と心、そして文化で台湾のお客をおもてなしする。

 

神楽家そごう台北忠孝店スタッフ。
神楽家そごう台北忠孝店スタッフ。

 

展円国際の張宝鄰董事長は「生活が豊かになってくると追求したくなるものは健康である。日本料理は健康的で、味わいを楽しむものだ。脂濃くなく、消化によい」と時代の要求に合った日本料理の価値を強調する。また、「オープンにあわせて台湾の料理人とホールスタッフは名古屋の本店で修行を行なった」とも言う。ただ、日本人と台湾人の味覚が異なることから、「本店で使用している赤味噌を、台湾では合わせ味噌に変更するなどの調整を加えた」とも語る。季節と旬の食材を使用する為、日本と台湾では提供するメニューが異なるが「基本には忠実」と、美味しさに太鼓判を押した。

 

(左二人目から)リブレ日下智重子社長、展円国際張宝鄰董事長
(左二人目から)リブレ日下智重子社長、展円国際張宝鄰董事長

 

リブレの日下智重子社長は「台湾の方と日本の方にもどちらにも受け入れられるような内容を作ることは、どこでも抱えている問題」と、海外展開での苦労を語る。また、台湾人料理人を日本に招いて修行させたことについては、「使い慣れていない食材を扱うことや、食材の処理の仕方で違った点があったが、修行期間内で充分理解してもらえたと思う」と、味に対する自信をのぞかせた。台北店では本店から水井恒平氏が料理長として、大岩誠氏が支配人として就任し、品質は折り紙付き。

 

懐石「彩楽箱」
懐石「彩楽箱」
会席「瑠璃」
会席「瑠璃」

 

オープンを記念して行なわれた記者会見で太平洋そごう呉素吟副総経理は「太平洋そごうは開業26年以来、どのように上質で、良い物を誠心誠意お客様へお伝えするかという姿勢を貫いてきた。その中でデパートの中で素晴らしい懐石料理を味わえることは感謝すべきことである」と歓迎した。

 

太平洋そごう呉素吟副総経理
太平洋そごう呉素吟副総経理

 

会場を訪れていた台湾人記者も「美しくて美味しいなんて素敵ね」と本格的な懐石料理を楽しんでいた。張社長は台湾でも日本の本店と同様に、雰囲気のある独立店舗をオープンさせる考えもあると言う。