台湾、フィリピンへの制裁解除 漁船銃撃事件から3ヶ月

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台湾の外交部は8月8日、今年5月にフィリピンに対して発動した11項目の制裁を解除することを発表した。バシー海峡上で起きたフィリピン船による台湾漁船銃撃事件から3ヶ月。比アキノ大統領が特使を派遣し、被害者遺族と台湾の国民に対して正式に遺憾の意と謝罪を表明したことで、台湾人の対比感情悪化を引き起こした事件は、ようやく収束を向かえることとなった。

 

林永楽外交部長
林永楽外交部長(資料写真)

 

比政府は8日、アマデオ・ペレス大統領特使を屏東県小琉球に派遣。被害者遺族らに対して正式に謝罪した。特使はその後、損害賠償、加害者の処分、今後の対応策などをまとめた文書を林永楽外交部長に提出。これによると賠償問題に関しては遺族と弁護士の間で話し合い行われており、加害者に関しても沿岸警備隊の8人が殺人罪で起訴される予定であるという。

 

これを受けて外交部は「書面と行動によって陳謝と誠意が伝わった」として11項目の制裁を解除することを発表。また同時に、台比漁業会談の早期実施と加害者の迅速な起訴などを比側に要請した。両国関係が正常な状態に回復したことで、事件後に呼び戻されていた台湾の王楽生駐比大使と比の駐台大使も12日までにそれぞれ帰任した。

 

林部長は8日夜に行われた記者会見の中で、比政府に対し加害者の迅速な起訴を要求した上で「海上において武力及び暴力行使をしてはならない取り決めをいっそう強化する」と強調。また、台湾とフィリピンは一ヶ月以内に第二回台比漁業予備会合の開催することで合意した。