赤間副大臣が訪台、断交後初

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日本の対台湾窓口機関の日本台湾交流協会が主催する食品・観光イベント「多彩日本」の開幕式が3月25日、台北市内の文化施設で開催され、赤間二郎総務副大臣が出席した。1972年の日台断交以来、副大臣級が公務で台湾を訪問するのは初めてである。台湾メディアによると、赤間副大臣は式典後の記者団の取材で「日本にとり日中関係が最も重要な関係の一つであると同時に、日本と台湾が実務関係を維持していく事も変わらない」と話した。

赤間副大臣は開幕式で福島県など5県産食品の輸入再開を台湾側に要求した。挨拶では、福島を始めとする被災地の復興が順調に進んでいる現状を紹介し、被災地で生産・製造された商品が万全の検査に合格、日本ですでに販売されている事に言及したほか、「日本と台湾の間には国家利益以外にも友好関係や密接なやり取りがあり、重要なパートナーである」と述べた。さらには、東日本大震災や熊本地震で台湾から多大な援助を受けたことに対し感謝の意を示す場面もあった。

赤間副大臣は同24日深夜に台湾に入り、25日夕に帰国した。その間の台湾政府高官との会談はなかったとされている。

また、同式には台湾の対日本交流窓口機関である「亜東関係協会」の邱義仁会長も出席し「ここまで来るのは容易ではなかった。台湾と日本はともに難しい局面にあり、一緒に乗り越えましょう」とコメントした。

1972年の日台断交後、日本政府は中国への配慮から高官による訪台を自粛しており、2006年には当時の宮腰光寛農林水産副大臣が陳水扁前総統と会談する等私的な訪問はあったが、公式での訪台は断交以来今回が初めて。

現在台湾は2011年の東京電力福島第1原発事故以降、福島、栃木、茨城、千葉、群馬の5県で生産・製造された食品の輸入を全面的に禁止している。

(2017/3/28)