大使に高橋真麻さん任命 ~台湾客家文学フェアを記念して

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台湾客家委員会はこのほど、現在実施されている「台湾客家文学フェア」を記念して12月15日、東京大手町のKDDIホールで記者会見を開いた。会見では客家文化振興大使に任命されたフリーアナウンサーの高橋真麻さんが訪れ、フェアのPRを盛り上げた。客家文学の日本語翻訳版が今年6月から7月にかけ、五人の作家により相次ぎ出版された事を記念したもので、客家文学のフェアが日本で開催されるのはこれが初とみられる。

会見は駐日台北経済文化代表処副処長の郭仲熙(カクチュウキ)氏の挨拶から始まり、客家委員会の副主任委員の范佐銘(ハンサメイ)氏より日本における客家文学振興に向けた同フェア開催の主旨として「我々が届ける客家文学が日本の皆様に愛される事を願う」と話した。

客家文学作品は五人の作家が今年6月から7月に出版したもので、フェア対象の客家の作家「利玉芳(リ・ギョクホウ)」氏と「甘耀明(カン・ヤオミ

ン)」氏が会見に登壇した。利玉芳さんは「私は客家人で数少ない客家詩人です。今回の詩選はこれまでの集大成です」と作品の魅力ついて紹介した。

一方、客家文化振興大使に任命されたのは大の台湾好きを自称するフリーアナウンサーの高橋真麻さん。「台湾は大好きで20回以上行ったことがある」と話し、甘耀明さんから「粘り強いお米が特徴のお餅」を客家のグルメとしてすすめられると、「高橋家はお餅が大好きなので、今度一家で伺った際に食べたいと思います」と答えた。その後、高橋さんが客家の伝統的な布「客家花布」の柄を日本の伝統である手描友禅で再現した特別な着物姿で登場し、台湾客家委員会副主任委員より、客家文化振興大使任命証の受け渡しが行われた。

また高橋さんは、台湾の伝統的な“春聯(しゅんれん)”で『平穏無事』と新年の抱負を発表し、「今年を一文字で表すと、平成の「平」です。平成は私の青春時代なので、その平成が終わってしまうという事を感じています」と今年の感想も表していた。

作家は鍾肇政(ショウ・チョウセイ)さん=作品は「ゲーテ激情の書 客家文学的珠玉1」。李喬(リ・キョウ)さん=作品は「藍彩霞の春 客家文学的珠玉2」。曾貴海(ソウ・キカイ)さん=作品は「曾貴海詩選 客家文学的珠玉3」。利玉芳(リ・ギョクホウ)さん=作品は「利玉芳詩選 客家文学的珠玉4。そして甘耀明(カン・ヤオミン)さん=作品は「冬将軍が来た夏」の五人の作家による作品だ。

なお、台湾客家委員会は、台湾行政院管轄の委員会で特有な客家文化と言語の振興を使命とする。客家の誇り、前向きさ、自信と信念を世界中に「客家の文化」として広め、交流する事を目標としている」。 また客家とは、客家民族として、歴史上、戦乱から逃れるため華北平原から南へ移動、定住を繰り返したという定説がある。近代の研究では、南方をルーツとする説に重点が置かれており、客家文化は漢文化の一支流ではなく、固有の文化とされている。客家人は言語を含む独自の文化や伝統を重んじる事でも知られる。客家料理は濃い味付けを特徴としている。代表的な客家出身者は、元台湾総統の李登輝やシンガポールのリー・クアンユー(李光耀)など。客家人口は現在、台湾総人口のうち19.3%を占め、桃竹苗、高屏及び花東地域に集中している。