中華航空は、台北―鹿児島を結ぶ定期便を就航させ、2012年3月25日、鹿児島空港で就航記念セレモニーを行った。正午過ぎ、台北からの第1便が鹿児島空港に到着。搭乗客を出迎えたあと、国際線到着ロビーで記念式典が開幕。鹿児島県・伊藤祐一郎県知事が「チャイナエアライン(中華航空)による鹿児島・台北線の開設は、1975年に経済界を中心とした訪問団が台湾を訪問して以来30年来の悲願であり、これまで官民一体となって取り組んできた。台湾の皆様には、食・温泉・景観など鹿児島の本物の素材を堪能し、台湾に戻ってから鹿児島のPRをしていただけたら」と挨拶。中華航空の張家祝董事長は「日本と台湾の経済・文化に於ける交流は密接だ。中華航空では将来的に鹿児島・台北線について半年毎に週1便の増便を行い、2年以内にデイリー運航にしたい」と今後の展望について述べた。
中華航空では、約30年前から鹿児島へのチャーター便を運航してきたが、2011年11月、日本と台湾との間でオープンスカイ協定が締結、航空会社が路線や便数を自由に設定できるようになり、定期便就航が実現した。台北駐日経済文化代表処・馮寄台代表は「今後も、石垣島、那覇、静岡、富山、釧路等、新路線が今後開設される予定だ。投資、貿易、観光など日本と台湾の双方の往来が一層深まることを望んでいる」と述べ、台北・鹿児島の定期便就航を祝った。
来賓がテープカットを行った後、台北からの便で到着した陳玉春さん、張清子さんに歓迎の花束が送られた。九州では昨年、福岡・博多と鹿児島中央間を結ぶ、九州新幹線が開通。県の担当者は、「鹿児島の魅力、九州の魅力を台湾の方々にアピールしていきたい」と話している。定期便の運航日は火、木、日の週3便(使用機ボーイング737、158席)で、台湾、九州間の利便性が更に高まる。
また25日夜には鹿児島市内のホテルで、定期便開設記念レセプションが開催。航空関係者や鹿児島県議会議員、自治体関係者ら約250人が出席。各来賓の挨拶、鏡開きの後、地元の伝統芸能「霧島九面太鼓』の演奏が勇壮に行われ、会場の出席者を魅了した。