台北の中心地中山地区、中山北路と南京東路の交差点の北側に、本年初夏、オークラ プレステージ台北(大倉久和大飯店)がオープンする。このホテルは総客室数208。全ての客室が44㎡以上あり、台北でトップクラスのラグジュアリーホテルとなる。初年度の目標稼働率は、70%を目指している。
ホテルオークラは国内に16ホテル、海外に7ホテルがある。さらに傘下のJALホテルズを加えると80ホテル、26000室を誇る一大ホテルグループ。今回新たに、台北の他にバンコクにもホテルがオープンする。
日本の御三家ホテル(ホテルオークラ、帝国ホテル、ホテルニューオータニ)では、台北に進出するのは、ホテルオークラが初めて。グループ内のホテルでは既にホテル・ロイヤル・タイペイ(老爺大酒店)があるが、「大型団体が宿泊の時などに、送客できる強みがあります。今後は協調して運営していきます」とオークラホテルズ&リゾーツ営業部の五十嵐淳子副部長は説明した。
このホテルは2007年に運営受託を受け、所有と経営は台湾企業が行い、ホテルのサービス提供をホテルオークラが担う。
「東京のホテルオークラに、海外の経営者の方がご宿泊をされ、ご自分のホテルをオークラに運営してほしい、とおっしゃる客様がよくいらっしゃいます」(五十嵐氏)。オークラのサービスが、世界のエグゼクティブに認められている証拠だ。
台北のホテルは、既存のホテルを買収し看板を付け替えるのではなく、一から建設をしている。 その際、オークラ側ではオークラのスタンダードなサービスが提供できるように、オペレータとして意見を述べている。「総支配人が東京のオークラから派遣され、台北に滞在しています。どのようなホテルを目指すのか、台北でのお客様にいかに満足してもらうかを台湾側と協議しています」(五十嵐氏)。
ホテルオークラでは、国内偏重を見直し海外展開を積極的に推し進めている。「少子高齢化が進む国内では、婚礼ビジネスも減少しています。日本のお客様だけに頼らず、発展著しいアジア、東アジアのお客様を集客することを目指しています」(五十嵐氏)。
また、海外の主要都市に出店することで、オークラの名前の認知度を世界的に拡げることも視野に入っている。「海外のお客様が日本に来たとき、名前とサービスの質の高さをご存じであれば、日本にあるオークラに宿泊してくれます」(五十嵐氏)。
また、日本のオークラ内にある日本料理の名店『山里』の料理長が台北のオークラに派遣され、日本と同じ品質の日本料理を台北でも提供する。「山里のブランドは、どのホテルでも高い品質を保証しています。そのために、料理長が異動します」(五十嵐氏)。台北で一流の日本料理を味わうことができる。
ホテルオークラでは、2015年までに世界で100ホテル、30000室にすることを目指している。