EMS(電子機器受託生産サービス)大手である鴻海精密工業(HONHAI)グループが今後、日本のシャープから中国、インドネシア、メキシコのテレビ製造工場を取得し、シャープ製品の代理生産業務を通じて双方の提携関係強化を目指す。
鴻海精密工業(HONHAI)は今年3月にシャープとの資本・業務提携を発表し、シャープに8億台湾元を出資して株式約11%を取得するほか、さらに8億台湾元を出資してシャープの液晶パネル工場(第10世代)の株式46.5%取得を決めた。これにより鴻海精密は第10世代工場の生産能力約半分と同工場で製造した液晶パネルの所有権を持つことになる。
また鴻海精密は今後、シャープとの提携強化と同時にアメリカの液晶テレビブランド「Vizio」を加えた3社の新たなサプライチェーン構築を目指す可能性もあると予測されている。
鴻海精密はVizioの株主で、液晶テレビの代理生産も請け負っている。鴻海精密とシャープの生産能力をVizio製品に利用することで、同ブランドの中国、ヨーロッパ市場進出が有利に進む見込み。
このほか鴻海精密とシャープはは最近、シャープの第10世代液晶パネル工場における業務および工場運営を担当する専門チームを設立した。DisplaySearchによると、鴻海精密はシャープの液晶パネルにおける最先端技術と第10世代工場を利用して、米アップルからスマートテレビ「iTV」の受注を目指すとみられている。