-主宰・藤崎千雲氏「日台の交流を深めたい」-
今回で17回目を迎える千墨会主催の水墨画展が、台北駐日経済文化代表処、ユーキャン後援のもと、6月19日~24日の間、横浜市・神奈川県民ホールギャラリーで開催された。
千墨会主宰の水墨画家・藤崎千雲氏は、20年前まで7年間、台湾に住んだ経験がある。その際、故黄君璧山水画大使の筆意を学び、その後台湾国立芸術大学の蘇峰男教授の教室に学ぶ生徒として、同大学副教授の劉素真氏と知り合い、協力し今回展の成功を導いた。藤崎氏は帰国後、水墨画を愛する人々の会、「千墨会」を立ち上げて以来、17年間台湾と芸術交流を続けており、日台の温かい心情を育んできた。
今回は昨年の大震災で台湾から多大な支援を頂いたことへの感謝の気持ちを込める意味もあり、千墨会と台湾芸術大学書画芸術学系大学院生との交流展開催となった。千墨会からは180点、台湾芸大から20点の計200点余りの水墨画が会場に所狭しと展覧され、連日約300人の観覧者が詰め掛け、熱心に水墨画に見入っていた。今回の展覧会で特筆すべき画は、藤崎氏自身が描いた旅想「浄土ヶ浜」。これは昨年の大震災で多大な津波被害を受けた岩手県宮古市景勝地、浄土ヶ浜をモチーフに描かれたもので、亡くなった方々が極楽浄土に行けるようにとの願いを込めて描かれたとか。また、台湾芸大の劉副教授の作品では「彩華」が注目を浴びていた。
6月23日には、台湾芸大の学生10人を含む、日台懇親祝賀会も開かれ約90人が参加、台北駐日経済文化代表処横浜分処の李明宗処長も祝福に駆け付けた。水墨画家藤崎千雲氏は、1986年から台北7年、香港、広州3年在住中に中国画を学んだ。同氏の作品は外務大大臣賞、文部大臣賞など数々受賞歴がある。現在、台湾の中正記念堂、国父記念館にそれぞれ2点収蔵されており、2005年には台北市の仏光縁美術館で個展も開催。現在は、各地で水墨画を教える傍ら、日台芸術交流に勤しむ多忙な日々を送っている。台湾との交流は20年以上、個展開催も18回に上る。横浜市在住。