―台湾と日本は兄弟のような絆―
呉敦義副総統は6月8日、パナソニックグループの台湾松下電材創立25周年記念パーティーに出席。台湾松下電材は前身の台湾松江電材が、1987年に日本の松下電工と台湾の東和楽器集団が共同出資して桃園県大渓鎮で設立した企業。日本から資金と技術を導入して台湾向けの商品生産と台湾の土地に合った研究開発を行い、25年間の経営を経て、品質、サービス、信用等の各方面から高い評価を受けていると評している。
呉副総統は、近年台日関係が非常に緊密となり、駐日代表処札幌処の開設、台日投資協定、航空自由化協定の締結など、経済、貿易、文化、学術観光等の分野で大きな進展があったと述べ、台湾中部大震災や台南南部大水害が発生した際、日本が率先して台湾への救援隊の派遣や、また昨年の東日本大震災では、台湾から日本への大きな支援の輪が広がったように「台日両国は兄弟のような絆がある」と強調した。そのうえで、呉副総統は台日企業が引き続き協力し合って、中国大陸、さらにはアジア太平洋、グローバル市場を切り開いていけるよう期待するとした。
呉敦義副総統は1948年、南投県生まれ。国立台湾大学歴史学科在学中に学内誌に掲載された文章が当時の行政院長(首相に相当)の蒋経国の目にとまり、招待されたことがきっかけで政治家を志すようになった。大学卒業後、中国時報記者となったが、1973年に台北市議会議員として政界入り。その後、南投県知事、高雄市長、国民党秘書長(党幹事長に相当)、行政院長などを歴任。今年5月20日、第13代中華民国副総統に就任した。
台湾松下電材は、家庭用スイッチやコンセントの製造を手掛けており、現在では台湾の配線器具市場で60%以上のシェアを誇っている。資本金は2億5000万台湾元(約7億円)で、パナソニックが85%を出資。2011年度の売上高は、10億200万元で過去最高を記録。今年1月に社名を現在の台湾松下電材に変更。従業員は160人で、うち7人が設立以来25年間勤務している。