―歴代主席には許世楷元駐日代表も―
台湾独立建国聯盟は、6月7日に開かれた中央委員会定例会議で、主席選挙の開票を行い、陳南天氏(本名;陳重光)を新主席に選出した。これは昨年11月17日に黄昭堂・台湾独立建国聯盟本部主席が急逝後、代行主席を置いていたが、今回正式決定としたもの。任期は故・黄主席の残りの任期の、2013年の9月まで。陳新主席は、「台湾独立建国聯盟本部主席という責任重大且つ大変難しい役目は、決して一人では果たせるものではない。各界の友人、先輩の指導鞭撻のもと、台湾の未来のために共に力を合わせて前進していきたい」と主席就任の抱負を語った。
陳南天氏は1945年生まれ、国立台湾師範大学付属高級中学(現在の高校に相当、台北市の名門高として知られている)在学時に来日、早稲田大学理工学部電気通信学科を卒業後、米・ニューヨークのコロンビア大学の修士・博士課程修了。また、在米時代に台湾独立建国聯盟米国本部中央委員、主席を歴任。台湾に帰国後、基隆市の副市長、市長代理を務めた。さらに、黄昭堂主席の下で秘書長や副主席を務めた経歴がある。
台湾独立建国聯盟は、中華民国からの台湾独立を目指し、独立運動を行う政治団体で1960年に台湾青年社として発足、1970年1月1日に正式結成された。現在、台湾に総本部を置き、各国本部と共に言論的な独立運動や台湾正名運動を展開している。政治的には保守的な自由主義姿勢をとっており、泛緑聯盟(民進党、台湾団結連盟等の政治的アライアンス)の精神的な支柱となっている。歴代主席には元台北駐日経済文化代表処代表の許世楷氏がいる。元台湾総統府国策顧問でありJET日本語学校理事長の金美齢氏も日本本部に所属。2010年3月に同聯50周年記念の会が日本本部主催で都内で開かれた。同聯盟は現在、「台湾関係法」の制定を日本政府に呼び掛けている。