沈斯淳・駐日代表着任のご挨拶

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 台湾と日本は歴史的、地理的な関係が深く、さらには自由、民主主義、法治などの価値観を共有し、長年にわたる各界の人々の努力の下、経済・貿易、人的往来、文化、科学技術等のいずれの分野の交流も、大きな進展がありました。
 
 特に前任の馮寄台代表の3年余りの在任中に、台日間はワーキングホリデー協定、協力強化覚書、投資協定、台日特許審査ハイウェイ覚書などに調印し、航空協定改正の交換公文を交わし、台北松山空港と東京羽田空港の直行便就航およびオープンスカイ(航空自由化)が実現しました。そのほか、わが国の駐日代表処札幌分処の開設、台北文化センターの開設、日本の国会での海外美術品等公開促進法成立によって台北の故宮博物院の文物が今後日本で展示できるようになるなど、目に見える具体的な成果がありました。
 
 馬英九総統は私と接見した際に、外交は内政の延長であり、政策の正確さが最も重要であると述べました。2008年5月に馬総統が就任して以来、活路外交の政策を採ったことにより、台日関係は顕著に向上し、改善されました。
 
 私は着任後、台日間においてすでに構築されている良好な基礎の上に、引続き努力してまいります。今後、日本に対する実務の重点としては、各界関係者との交流強化、相互信頼関係の確立であり、経済面では、昨年9月の台日投資協定の調印後に続く、両国の企業協力の強化、二国間の貿易および投資関係の開拓・発展、中国大陸市場への共同進出といったトリプルウィンの状況を構築することです。また、文化および観光面では、国立故宮博物院の日本での展示を行うことについて全力を挙げて協力していくものであり、また同時に、両国国民の相互訪問の促進も継続的に行ってまいります。東日本大震災後の復興再建面では、わが国は台湾中部大地震(1999年に発生)および台風8号水害(2009年に発生)の復興再建の経験を提供いたします。
 
 長年にわたり、公益財団法人交流協会、日華議員懇談会など、日本各界の友好組織の関係各位による多大なる協力により、台日関係に具体的な進展が見られたことに、私は敬服ならびに感謝の念を表するものであります。また、今後は双方間の交流がより密接になり、引続き台日友好協力関係のために、共に努力してまいりたいと願っております。
 
【台北駐日経済文化代表処 2012年5月30日】