~中台のメディア活用でさらなる拡大を期待~
吉本興業は台湾の大手デベロッパーの台湾土地開発股份有限公司(本社・台北市)と提携して日本をテーマにした特産品の売り場を企画・運営する。2013年7月に中国大陸に隣接する台湾の金門島で開業予定の大型ショッピングセンター「風獅爺(フーシーイエ)プラザ」内で実施するもの。中国からの観光客が多く見込める場所で、日本の魅力やブランドを発信する事でアジア市場の開拓に弾みをつける構えだ。
台湾土地開発は今後、さらに「風獅爺(フーシーイエ)プラザ」付近に100億台湾元(約262億円)強を投じて2017年までにホテルなどの施設を建設する予定だ。
吉本興業の特産品の売り場は、3棟あるショッピングセンター・風獅爺プラザ・南館の2フロア(6400㎡)で展開する。1階フロアには日本の47都道府県の特産品の販売のほかイベントスペースも設ける。2階は日本の商店街をイメージした造りにし、日本の食品やアパレルなど20~25店を誘致する計画だ。
金門島は中国・福建省廈門市の沿岸にあり、最も近い部分は中国大陸から2キロ。近隣には台湾の軍事基地があるが、中台関係の緊張緩和を受けて、台湾当局は「免税ショッピング島」の計画もあり、さらなる観光客誘致を目指している。
吉本興業は今後、同社が所有する台湾・中国における企画制作力とメディア力を駆使し、巨大な中国市場に向け日本の魅力・ブランドをアピールしていく構え。中国・上海最大のメディアグループである上海メディアグループ(SMG)と吉本が共同運営する3億人以上の視聴者数を誇る「チャンネルヤングクール」、そして、台湾で2001年から共同運営している東風電視台と協力して、アジアを拠点に欧米まで視野に入れた約2000万世帯のネットワークを持つ衛生放送「吉本東風衛視」のテレビ番組の制作を通して拡大させる方針だ。