平成24年度NGO研究会総括セミナー、開催~アフリカ開発協会特別顧問大江康弘参院議員に聞く

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セミナー会場の様子

外務省主催の「平成24年度NGO研究会総括セミナー」が憲政記念館講堂で11月29日、盛大に開催された。運営は社団法人アフリカ開発協会、運営協力が駐日アフリカ外交団、財団法人尾崎行雄記念財団、早稲田大学国際戦略研究所、そして、後援が経済産業省だった。

NGO研究会は、外務省が主催する、複数のNGOが自らの事業実施能力・専門性の向上を図るために行う研究会で、各研究会では、NGOが直面する共通の課題をテーマとして、調査・研究、セミナー、ワークショップ、シンポジウムなどを行い、具体的な改善策を報告・提言することによって、組織や能力の強化を図る。

具体的には、外務省で研究会テーマを決定し、企画競争によって委嘱団体の選定を行っているが、今回のセミナーのテーマ「BOPビジネスと国際協力」及び同研究を委嘱した団体は、社団法人アフリカ開発協会だった。なお、アフリカ開発協会の会長は矢野哲朗氏(前参院議員)、副会長は池田甫氏、特別顧問は大江康弘氏(参院議員)である。

午後1時から始まったセミナーは、社団法人アフリカ開発協会会長矢野哲朗氏の挨拶、主催者代表として外務省榛葉賀津也副大臣の挨拶などに続き、経済産業省貿易経済協力局通商金融・経済協力課、外務省国際協力局民間援助連携室、JICA国際協力機構の挨拶があった。

休憩を挟み、午後2時から午後5時まで、6団体(ヤマハ発動機株式会社、NPO法人イノプレックス、川崎花卉演芸株式会社、NPO法人プラネットファイナンスジャパン、株式会社リサイクル、米国NPO法人国際技術交流会)の発表があった。同団体は、アフリカ地域を始めとして、世界各地でBOPビジネス※を模索・展開している。

例えば、ヤマハ発動機は、砂漠化が進行するアフリカ(セネガル)で、農業用ポンプを利用した簡易灌漑施設の設置により、小さな村の農業&生活を一変させた事例を発表。参加者は熱心に聞き入った。

こうしたアフリカ地域への日本のODAを含めた進出は、まだまだ不十分との声がある。特別顧問の大江康弘氏に聞いた。

大江康弘参議院議員

「(僕のアフリカ開発協会との関わりは)社団法人アフリカ開発協会の矢野哲朗会長は、もともと台湾派でしたからね。その矢野さんと言っているのは、23カ国の外交関係しかない台湾ですが、そのうちの4カ国(ブルキナファソ、サントメ・プリンシペ、スワジランド、ガンビア)が実はアフリカの国なんです。日本もこの国々と関係がございますから、日台でなんとかこの国々と交流を持ちながら(支援などを)していくことで相乗効果が期待できるのではないかと考えているんですね」

長時間のセミナーにもかかわらず、参加者は途中退席者は少なかった。

※BOPビジネス:「Base of the Pyramid」の略。世界の所得別人口構成の中で、最も収入が低い所得層を指す言葉。約40億人が該当。BOPビジネスは、市場規模が約5兆ドルにも上ると言われるこの層をターゲットとしたビジネスのことをいう。企業の利益を追求しながら低所得者層の生活水準の向上に貢献できるWin-Winビジネスモデルが求められる。すでに世界のさまざまな企業が参入しているが、日本は欧米諸国と比較して、具体的な取り組み事例が少ない。