幕張メッセ「台日太陽光発電産業交流会」で台湾政府高官が挨拶

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交流会の会場

太陽光発電の普及活動に取り組んでいる一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)およびSEMI(マイクロエレクトロニクス製造装置・材料業界の国際工業会:米国カリフォルニア州サンノゼ)は、12月5日~7日の日程で幕張メッセで太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan2012」を開催した。

開催規模は出展者数196、出展ブース数485、出展国数8だった。また、同時開催されている「第7回再生可能エネルギー世界展示会」の来場者見込み数は延べ45000人だった。

こうしたなかで、12月7日、台湾経済部エネルギー局は、「PVJapan2012」の会場でもある幕張メッセ9ホール2回会議室にて、「台日太陽光発電産業交流会」を開催した。なお、運営は工業技術研究院(IToRI)日本事務所が担った。

台湾経済部エネルギー局歐嘉瑞局長

午前10時開場、10時30分開始。満席の会場で冒頭挨拶に立ったのは、台湾経済部エネルギー局歐嘉瑞局長だった。歐嘉瑞局長は、交流会参加者に謝意を表明した後、挨拶後、2組の台湾と日本企業のMOU(協力協定)が予定されていることを踏まえて「(この場で)MOUの締結の立会人になることができて大変、光栄です。これは台湾と日本が太陽光発電の領域でさらなる発展をしていく重要なステップです」と述べた。

また、太陽光発電ビジネスは、各国の財政状況が悪いなか、補助制度が取り止めになっており、厳しい状況が続くが、より活性化していく必要があること、台湾で100万戸の家屋に太陽電池パネルを設置する計画があり、今後発展が見込まれること、台湾企業のグローバル化をサポートしていくこと、台湾の製品は高品質でコストパフォーマンスに優れ、工場の管理や生産能力も定評がある、日本企業の海外のパートナーの選定基準は厳しいと思われるが、太陽電池の製造で世界第2位の台湾と日本が協力体制を育てていくことが大事なこと、台湾は、シリコン・ウエハー・セル・モジュールまで一貫したバリューチェーンを完成していること、などを述べ、最後に「この交流が成功することを祈ります」と結んだ。

 

(右)Eversol Corporation(台湾)の郭彦辰董事長と(左)West Holdings(日本)の吉川隆会長

 

(右)Motech Industries(台湾)の左元進董事長と(左)伊藤組土建株式会社平野良弘社長

続いて、歐嘉瑞局長の立会いのもと、1組目として、Eversol Corporation(台湾)の郭彦辰董事長とWest Holdings(日本)の吉川隆会長がMOUに調印した。次いで、Motech Industries(台湾)の左元進董事長と伊藤組土建株式会社平野良弘社長がMOUに調印し、参加者は大きな拍手で応えた。

 

工業技術研究院グリーンエネルギー・環境研究所シリコン太陽電池研究室杜政勲経理

午前11時からは工業技術研究院グリーンエネルギー・環境研究所シリコン太陽電池研究室杜政勲経理が「台湾太陽光発電産業の最新動向について」講演した。

杜政勲経理は、PV産業は2000年以降急ピッチで成長し(44%の成長)、70GWの発電量に達していること、そうしたなかで世界のPV産業は中国がTOP、台湾が2番目の位置にあり、世界の11%のシェアを持つこと、2005年~2011年、売上ベースで2億ドル(US)=66億ドル(US)と大きく成長したこと、材料からモジュールまで完成したバリューチェーン、南北400キロの島に新幹線が縦断し、台北から高雄まで1時間30分の所要時間と交通手段が便利で川上から川下まで環境が整っていること、などを話した。このほか、台湾のPV産業の強味、主な企業、補助制度、設置事例の紹介があった。

この後、午前11時30分過ぎから交流会に移った。台湾からの出席企業は8社ほど。そのなかのInventec Energy Corporationの黄炳麟執行長に話を聞くことができた。

 

Inventec Energy Corporationの黄炳麟執行長

黄炳麟執行長は、来日の目的は、日本のPVメーカーの台湾のPVメーカーのことを知ってもらうこと、例えば、台湾には半導体産業の基礎技術があり、人材や製造設備も優れ、高品質の製品を提供できることや低コストで生産ができることなどだ、と話した。

同社はすで日本企業とMOUを締結し、ビジネスを展開中だが、来年には完成品輸出から半製品輸出を考えているという。

「実は、当社は工業技術研究院のインキュベーションセンターから独立した会社です。新しい技術を取り入れ、技術指導も受けていて、品質は保証されています。結果として、当社の製品は、ドイツのTUV(長期耐候側式認証)を取得しました。日本では京セラのみ、韓国企業1社と合わせて世界で3社しかこの認証を得たものはいません」

午後12時40分、交流会は盛況のうちに終了した。