インターネットを使って台湾へも情報を発信可能なFMラジオ局が、来月、福岡市で開局する。局の名称は「Comiten」で、ラジオ電波としては福岡市中心部をカバーエリアとする。従来、ラジオは出力によって電波の届く範囲が限定されており、インターネットが普及した現在でも県域局はスポンサー構成などから、県域を超えて番組を放送することはできない。
![「日台の架け橋」としてのラシ_オ局](https://i0.wp.com/image.taiwannews.jp/2013/01/33125ecd128c75f9d05d846ac149edbf-300x225.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
![1月開局予定のComiten](https://i0.wp.com/image.taiwannews.jp/2013/01/5edc6a3839914b6a12c854840b863e1b-300x225.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
しかし、「Comiten」は、コミュニティFM局であるため、コミュニティFMの自主制作番組をインターネット配信するサイト「サイマルラジオ」のシステムを使い、エリアに縛られず情報を発信できる。コミュニティFMは送信の出力が原則20Wと弱く、ラジオ電波としての情報発信エリアは県域ラジオ局に比べ限定されるが、インターネットを使うことにより、国境を越えた情報発信が可能である。
「アジアの玄関口」を謳う福岡に開局したことで、台湾をはじめとするアジア各国に住むリスナー(日本人、もしくは日本語を理解する現地の人々)に対して、福岡の情報を発信していくという発想も生まれる。番組編成でも従来のラジオ局とは一風変わった構成になり、地元密着情報はもちろんのこと、アジアのリスナーを意識した内容の番組やコーナーを埋め込む。台湾の情報を福岡のリスナーに聞かせることもでき、台湾への旅行を検討している福岡住民に向けての台湾観光PRも可能だ。また、台湾企業が福岡に進出しているケースもあり、局担当者によれば、今後、福岡に住む台湾企業の社員も番組ゲストとして招くプランも進行中と言う。
![台湾に向けた情報も充実させる予定](https://i0.wp.com/image.taiwannews.jp/2013/01/1af0f8f87adf9ce58a38dd223ae152f9-300x225.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
![台湾からの観光客でもコーヒーを飲みながらスタジオ参観可能](https://i0.wp.com/image.taiwannews.jp/2013/01/261e31fee04f5f53ab2d4c15e4a98f2b-300x199.jpg?resize=300%2C199&ssl=1)
「Comiten」の河野孝雄社長は「福岡の魅力を発信する情報共有ツールにしたい。地域の活性化のため、商店街の特売情報や地震等の防災情報などのきめ細やかな情報を放送するのはもちろんのこと、台湾からの観光客に対しても『おもてなし』の心を持って受け入れてもらえるように福岡地場の経営者にも台湾人観光客の風習やマナーなどもインフォメーションとして提供していきたい」と今後の展開について語った。福岡と台湾の情報を相互にやり取りできるメディアの誕生。福岡市が真の「アジアの玄関口」として成熟するため、新ラジオ局が「日台の架け橋」としての機能を果たす。