世界中で民主と自由を促進する米国・国際NGO団体のフリーダムは1月16日、「2013年世界自由度報告」を発表した。この調査は209カ国・地域の自由度を格付けしたもので、「政治的権利」および「国民の自由」の2項目の指標について評価を行ったもの。評価基準は1(最も自由)から7(最も不自由)まで。台湾は「政治的権利」が1で「国民の自由」は2。アジアではトップクラスの自由度と評価された。
台湾では昨年1月に総統・立法院のダブル選挙が行われたが、同報告では選挙は与野党の激しい戦いだったが公平に行われ、成熟したものだったとしている。ただし中国寄りの菓子メーカー、旺旺による中国時報の買収や台湾壱伝媒売却の件を指して「メディアの寡占状態は台湾の報道の自由に影響を与えかねない」とし、「中国大陸に不利な情報などを自己検閲することでメディアの多様性が損なわれる」と指摘している。
また、同報告では昨年、政治・市民的に自由に関する状況が悪化した国は28カ国で、改善した国の16カ国を上回ったと報告している。中国については、共産党指導部が昨年11月に交代し、「検閲と少数民族弾圧、民衆の監視に全力を挙げる決意を新たにした」と非難している。
今回の調査で最も格付けが低かったのは、北朝鮮と内戦状態に陥っているシリアなど9か国だった