福岡県産の農産物を台湾の消費者にPRし販売するイベントが、1月17日から23日まで、台北市の太平洋崇光地下Freshmartで開催された。出品されたのは、福岡県が主力商品として推しているいちご、みかん、柿、キウイの果物等で、このフェアの為に、多くが空輸で運び込まれた。
人気を集めたのは、福岡のいちご県産ブランド「あまおう」。「あかい、まるい、おおきい、うまい」の頭文字をとって命名され、「甘いいちごの王様になるように」との願いも込められている。色は濃紅、艶があり、果実が丸く整っているのが特徴。日持ちが長く輸送性が高いため、海外での販売にも適している。台湾での販売では「日本福岡草苺」と表記される。また、キウイは福岡産の「博多甘熟娘」が注目を集める。追熟設備や選果技術などの栽培法で、濃い甘味を生み出す。
台湾では日本から輸入された果物等を多く見かけるようになったが、一方で、日本でも台湾産食品の流通が加速している。両国は政治、文化交流のみならず、食、農産物貿易の点でも協力体制が充実してきている。1月上旬、県が主催した台湾政財界関係者との交流イベントでも、県の主力果物がPRされた。
日本第3位の生産量を持つ「柿」は、福岡県南部、特に筑後川流域で生産が盛んだ。浮羽市、朝倉市、久留米市等の、南向きで日当りと水はけの良い斜面が生産に適しており、さくさくとした歯ごたえとジューシーな甘さが台湾の多くの消費者の心を捉えている。
試食も行われ、訪れた買い物客は、苺の独特の甘みに舌鼓を打った。また、栽培方法を販売員に聞き込む客の姿も見られるなど、会場は客の熱気に包まれた。主催した関係者は「台湾の顧客が持つ福岡県産の果物に対する関心、興味が手に取るように分かった。今後もこのようなイベント、フェアを開催し、福岡県の食の魅力を台湾の皆さんにもっと伝えていきたい」と手応えを示した。