亜東関係協会(台湾)および公益財団法人交流協会(日本)は、第17回日台漁業会談開催に向けて、2013年3月13日、交流協会東京本部会議室において、第2回予備会議を開催した(既報)。
交流協会は、当日発表のリリースのなかで「双方の考えは未だ一致していないものの、昨年11月の第1回予備会合での議論を踏まえ、建設的かつ率直な意見交換が行われた」と述べた。
対して、台北駐日経済文化代表処は、その後、公式サイトのなかで、「(略)双方が正式な協定調印の前段階においては、現有の漁業作業秩序および操業権を互いに尊重し、引き続き緊密に意思疎通と協議を続けていくよう呼びかけた」とし、続けて「台日双方は会議の中で、漁船操業水域および漁業資源保護管理等の議題について十分に意思疎通し、意見交換するとともに、できるだけ速やかに第3回予備会議を開催する合意を得た」と書いた。
こうしたなかで、3月20日、「香港中評社」なるメディアが日台漁業協議について「日本が漁業協議で台湾の要求をのみ、譲歩することは空想に過ぎず、最近の協議で日本は肝心な部分で譲っておらず、結局は台湾に不利になる」とネガティブキャンペーンを展開。だが、実際は逆のようだ。
というのも、台北・中央通信社は、20日、「林外相(※林永楽外交部長)はその翌日(※3月14日)に『大きな進展があった』『日本は善意を示している』と成果を評価、操業範囲は緯度を基準に設定する方向が望ましく、1カ月以内に次の会合を開きたいと述べていたが、20日には『3月末か4月初めにも』とさらに前のめりに。台湾の操業範囲拡大にも自信を見せているが、いずれもまだ話し合いを進めている最中だとしている」と報じた。
これを受けて、産経新聞(日本)は21日、「台湾漁民の操業範囲拡大に『日本側同意』」なる記事を書き、台湾の林永楽外交部長が20日、台湾側漁民の操業範囲の拡大に日本側が原則的に同意したとしている。
これまでの日本のマスメディアの報道では、予備会議の行方はそれほど楽観的ではなかった。日台間の“領土問題”は、大きく進展する可能性が出てきた。