【人物インタビュー】飲食業を通し日台を結ぶ架け橋、大木淳史さん

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大木淳史さん
大木淳史さん

来台して14年目、台湾在住の日本人・大木淳史さんは、台北で飲食店を経営する傍ら、タレントとしても活動。飲食業界や台湾芸能界で、日本と台湾の架け橋となっている。

中国語を勉強するために来台した大木さん。半年で帰る予定だったが、台湾の人々の情に触れ、帰国を先送りにしたと言う。「言葉が通じない中で、台湾の人達は温かく接してくれた。勉強してコミュニケーションを取れるようになりたいという衝動が生まれた。いざ言葉がはなせるようになったら、今度は働きたくなり、次に会社を経営したくなった。」 自らの台湾でのステップアップを振り返る大木さん。初めは高雄に住み7年間、台湾の雰囲気に浸かったという。台北に移った後、日本人相手の接客も増えるようになった。「日本人とは距離があった。しかし、飲食業を通して日本人とも知り合い、赴任してきたばかりの人、旅行に来た人に台湾を紹介する機会を得た。レストランでは台湾の美味しい食材を日本料理にして提供している」

台湾で飲食業を始めるにあたって苦労したこともあると言う。

大木淳史さん
陽気で社交的な性格から信頼を集める大木さん

「日本料理ができる台湾人のコックを探すのに苦労した。初めは台湾料理ができるコックを探したが、だしまき卵など日本独特の『巻く技術』を使った料理はできるコックが少ない。日本で喫茶店のコックをやっていた自分がキッチンに入ったこともあった。それでは店が育たないので、自分で食べ歩き、美味しいと思える店のコックさんを引き抜いたこともあるくらいだ」

「台湾の方は転職に対して日本ほど抵抗がない。退職金制度の違いなどもあるが、良い環境、良い条件があればステップアップとして職を移ることもある・・・」

台湾の人々が大好きで、台湾に住もうと決めた大木さん。しかし、一方で「友達になる分と仕事を一緒にする場合で違う」と指摘する。「部下に持つ、上司に持つと日本人と台湾人では仕事に対する向き合い方の面で違う感覚がある・・・」

飲食店を経営する傍ら、大木さんは台湾テレビのトーク番組に出演している。

「台湾テレビでは日本と韓国の比較をされることが多い。韓国はサムソンや現代などのメーカーに勢いがある。インターネット関連は韓国が優れており、日本は苦戦状況にある。日本対韓国の言い争いの番組なども 韓国はインターネットの速さと電化製品、日本は車が売りだ。台湾人制作者の見方は新鮮でもある」

日本人へ向けた台湾の観光PRも、大木さんは重大な任務と考える。「台湾は日本とは距離も近い。食べ物が非常に合う。日本よりむしろ美味しいものが多い。最初に海外旅行に来るならば台湾がお薦め。食事が合うので長く居られ、治安もいい。食事、人、気候・・・、リピーターが多い理由がいくつもある」陽気で社交的な大木さん。交友関係は広く、日本人、台湾人、ともに信頼を集めている。