今年で7回目を迎える台北国際春季旅行博が26日、台北世界貿易センター一館(台北市)で開催された。これは旧正月以降、台北で初めて開催される旅行博。国内外の旅行関連業者など600ブースが参加し、春から初夏にかけてのシーズンプランを来場者にアピールした。
交通部観光局の統計によると、2012年の台湾人出国者数は1024万人にのぼり、過去最高を記録した。これは人口2300万人の台湾で、国民の半数近くが出国したことになり、アウトバウンド需要が非常に高い国家のひとつといえる。日本旅行は特に一年を通じて需要の高い人気観光地で、旅行会社各社は特別価格を提示し、来場者の注目を集めていた。
久順旅行社の杜佩育董事長は「円安の影響で今年から日本旅行への需要が高まっている。昨年の同時期と比べても30%増加しているだろう。最近では桜のシーズンにあわせて花見旅行需要が高まったが、京都、大阪、奈良、そして山陽、山陰地方も需要が増えている」と語る。また、格安航空会社(LCC)と提携し、新たな客層を呼び込む取り組みも始めていると言う。「LCCは機内食が有料なので、日本に到着してからお寿司だったりラーメンを食べてもらうようなプランを用意している」。
現在の旅行状況について、華泰旅遊の林怡君協理は「今出発のツアーで一番人気なのは立山黒部アルペンルート。4月16日のアルペンルート全通から5月頃まで、北陸方面の旅行はおかげさまで完売。5月は北海道が比較的閑散期になるからお徳。6月からはラベンダーの季節になるからまた混み合って来ると思うけど」と話した。また、林協理自身もアルペンルート開通式に三年連続で出席していると言い「今年は18メートルの雪の大谷が見られ、とても素晴らしかった。6月頃まで見られるので、今一番のお勧めです」とも語った。
易飛網の女性担当者は「安く海外旅行がしたいなら香港。航空券とホテルまでの送迎が付いて3999元(約13000円)。でもお客からの問い合わせが多いのは日本。特に旧正月以降は飛び抜けて多くなっている。北海道と大阪、奈良、沖縄もお勧めしてます」と語る。また台湾の国内旅行では「澎湖がお勧めです。ちょうど花火フェスティバルがあるので、今は良い時期だと思いますよ」と語った。
会場を訪れていた女性は「会社の社員旅行の行き先を決めに来た。韓国を考えている。個人的には5月には(日本の)東北の内陸部へ行くつもり」と語り、集めたパンフレットを見比べていた。別の女性は「アンコールワットに行こうと思う。日本や韓国、アメリカ、カナダにはもう行ったから」と話し、一緒に来場した友人とプランについて話し合っていた。この催しは29日まで行なわれる。