民間シンクタンクの中華経済研究院(中経院)はこのほど、2013年の台湾経済予測を発表。経済情勢は昨年より良く、さらに欧米諸国や日本より優位になるとの見通しを示した。またGDP(経済成長率)の予測を従来の3.60%より小幅ながら3.63%と上方修正した。今後はさらに上方修正する可能性も示唆している。
中経院によると、今年の経済成長の主要原動力は投資であるとし、とくに民間投資が大幅に回復すると見込んでいる。これにより景気は徐々にではあるが力強く回復するとみている。
このほか中経院は今年の消費者物価指数1.6%と予測。しかし第4四半期のCPI(消費者物価指数)は第3四半期までの上昇と比較して小幅な上昇に止まると分析している。これは台湾電力が今年の10月に電気料金の値上げを予定していることを懸念したとみられる。また、今年の失業率は4.17%と予測した。
一方、中経院は今年の景気は穏やかに回復すると見込んでいる。ただ、国際的なリスクには注意換気が必要としており、米国の財政赤字、日本円の円安、朝鮮半島の緊張、中国の鳥インフルエンザ、債権信用問題、そして国際貿易保護主義の再起問題やヨーロッパの財政危機などのリスクを例に挙げている。
江宜樺・行政院長(首相に相当)は4月16日、工商会主催の朝食会で「過去台湾の経済の発展は『悶』の一文字に形容されてきた。だが行政院(内閣)のチームは決して愚痴って仕事をしていない。十分な行動力をもって精力的に政策を推し進めている」と、政府は積極的に景気回復に取り組んでいる姿勢をアピールした。