IMD学長が台湾の競争力を高評価

0

IMD学長は台湾の企業経営管理力を高評価
IMD学長は台湾の企業経営管理力を高評価

 スイスの調査研究機関、国際経営開発研究所(IMD)のドミニク・テュルパン学長は4月2日、台北で開催された国際競争力セミナーで「2012年のグローバル競争力及び台湾競争力向上のきっかけ」と題する講演を行った。
 講演では「小さい国の発展は企業のパフォーマンスに関わる」「政府の役割は企業との信頼と支配のバランスを上手に保つことだ」とした。また「台湾の企業は評判が良く、社内管理も厳密に行われている。もし点数をつけるなら「B+」か「A-」の良い点がもらえるでしょう」と台湾の企業を賞賛した。また「台湾のような小さな国が2012年のIMD世界競争力ランキングで7位にランクインしたのは素晴らしいことで、小さい国の発展は企業のマーケティングの開拓が鍵であることが台湾の成功例で実証された」(ドミニク・テュルパン学長)とし、さらに「どうりで昨年台湾は企業経営管理部門で世界1位だった」と台湾の企業管理能力の優秀性を話した。続いて「企業のパフォーマンスは国家の発展競争力に大きい影響を与えます。政府の役割は信頼と支配のバランスをしっかり保つこと。これがきっちり出来れば企業は社会に還元できる。台湾は世界から仲間外れにされないために、積極的にFTAに参加しようとしているが、他人のマーケットから儲けるより先ず自分のマーケットを確立することが大事です」と指摘した。さらに「FTAが台湾の抱える国際問題全てを解決できるわけではないのだから」とも。一方、「台湾は国際的な競争力で高得点を得ており、そんなに厳しく自律する必要はない」と加えた。
 最後に台湾で今問題になっている反核(原発問題)について同氏は「台湾は島国だからヨーロッパのように隣の国から電力を買う事が難しい。原発がなくなったら電気代が高騰してさらなる物価上昇を引き起こし、市民の生活にも支障が出てくる。従ってむやみに原発反対を唱えるのではなく、慎重に考える必要がある」と指摘した。