馬英九総統は4月22日、現在建設工事段階にある第四原発の建設中止を求める国内主要環境保護団体と面会した。馬総統は「総統に就任以来、エネルギー問題に精一杯尽くしてきた。製造業においてはエネルギーの節約の具体的成果も出ている。自分が行ったエネルギー政策は各方面から好評を博している」と就任以来、原発を含めたエネルギー政策の効果を強調した。
面会した環境保護団体は、反核を求める陳述書を馬総統に手渡し、「政府は直ちに第四原発の建設工事を中止してほしい。また、同原発に対する国民投票(現在、国民投票を行う動きが加速している)は必要ない。なぜならばそれは税金の無駄遣いになるからだ」と原発に対する反対を表明した。
これに対し馬総統は「2000年(民進党、陳水扁総統時代)に当時の政府は第四原発の工事を一時中断したことがある。でも、立法院(国会に相当)では、行政院(内閣)の憲法に違反するとし、当時の最高裁裁判官(最高裁)では、違憲との判決が出ている」と反論。
馬総統は続けて「第四原発の予算はすでに行政院を通過しており、今、建設工事を中断することは出来ない。もし、特別な事情があれば立法院の同意を得なければならない」と理由を説明した。 環境保護団体と同席した一般市民団体に対する馬総統意見は食い違いが生じた。
民間環境保護団体は「政府は『核は安全、だから国民投票は不要』とした態度だが、投票案は進行中で、多くの国民の希望は立法院は『国民が投票する権利を主張してほしい、めくら判を押さないでほしい』と主張したものの、馬総統から明確な回答はなく、その場は落胆の雰囲気に包まれた。同団体は、「全国のエネルギー会議の開催が急務。時期は早ければ早いほど良い」と主張。また、東部地区の核開発も再検討の必要があり、湿地なら生物の保護の観点から湿地法、海岸法など議題は山ほどあると既存の原発に対する再検討も要求。環境保護団体は「馬総統は1カ月以内に具体的な回答をすべき、政府各部門の回答には納得できない、再度総統の考えを聞きたい」と近いうちに再度総統と面会する機会を求めた。