公益財団法人交流協会(日本側)と亜東関係協会(台湾側)は、5月16日及び17日、日台民間漁業取決めに関連し、沖縄県那覇市において操業トラブル防止のための日台漁業者間会合を開催した。トラブルが生じた場合のため、連絡先を交換することとし、操業ルールについては、「引き続き速やか且つ真剣に協議をしていく」ことになった。
こうしたなか、台湾漁業当局は21日、沖縄県・先島諸島南側の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、台湾漁船が日本側に拿捕されたことを明らかにした。これは日台が4月、互いの操業を認める取り決め(協定)に調印後、5月14日に続き、2例目の拿捕だ。
一方、日本の水産庁も、21日、同事件について沖縄県・八重山諸島南沖の日本の排他的経済水域(EEZ)で違法に操業したとして、台湾はえ縄漁船瑞明発を拿捕の疑いで逮捕したと発表した。同庁によると、逮捕容疑は、20日午後11時50分ごろ、石垣島から東南東約100キロの日本のEEZで無許可操業をしたというもの。同海域は、協定で台湾漁船の操業を認めた「法令適用除外水域」の境界線より約150キロも南だった。
拿捕事件を受けて、琉球新報は23日の社説で、「尖閣諸島を含む周辺海域の漁業権の取り決めを定めた今回の協定は、日台双方が操業可能な合意水域での漁船数や漁獲量など基本的なルールが決まらない中での『見切り発車』となった。ルールがないまま台湾漁船による操業の既成事実が積み重ねられると、日本側に不利な状況が常態化しかねない。そうならないためにも、早急に合意水域の操業ルールを確定する必要がある」と主張した。