~今年4月に続き2回目の自殺未遂~
台湾地元メディアによると、法務部矯正署は3日、総統在任中に国務機密費流用など収賄容疑で有罪となり(未だ裁判は継続中)、台中の医療刑務所に服役中の陳水扁前総統が2日夜に自殺を図ったと発表した。職員が発見し阻止したため、命に別状はなかった。
昨年、9月に排尿困難で台北刑務所(新北市土城)から台北市内の病院に緊急入院した陳前総統は、同時に重度のうつ病と診断され、今年4月より台中の医療刑務所に移送された。
矯正署によると、2日夜9時ごろに浴室で高さ約90センチの蛇口にタオルを巻きつけて首吊り自殺を図ろうしているところを職員に発見されて、阻止された。
陳前総統は、かつて自らがトップに君臨していた最大野党・民進党への復党を申請していたが、党内では反対意見が根強く、現段階で復党の見通しは立っていなかった。陳前総統は「私は機密費を外交に使っただけなのに、なぜ認められないのか」と裁判への不満を漏らすと同時に、古巣民進党への復党が思うように進まないことへの不満を述べている。不満を示すために自殺を図ったと思われる。
刑務所側は否定しているものの、陳前総統は今年4月にも入院先の台北市内の病院で自殺を図ろうとしたと伝えられている。矯正署は現在の心理状態は落ち着いているが、心理的カウンセリングを進めるほか、監視カメラの位置調整により陳前総統の安全確保を強化するとしている。