李登輝元総統が名誉会長として支える、日台の若者が集って昨年11月、台北で結成された日台若者交流会(安西直紀代表)は、その後、半年置きに開催国を交互に変えながら大会を実施するという方針通り、今も活発に活動を展開している。
「方針通り、今年の5月に第2回大会を東京お台場・大江戸温泉物語で開催し、日台の若者が約50人、交流を深めました」
日台若者交流会は、「超越国境」というメッセージとスローガンのもとで、1つは、日本の若者として国境突破の交流にチャレンジすること、2つ目は、若者の既成概念を突破して自分のやりたいことに挑戦すること、を目指している。
5月11日に実施された第2回大会の参加者の平均年齢は25歳。台湾から参加したもの、日本で暮らす台湾人留学生・社会人、日本人の若者が集った。
「台湾の方々に日本のいいところを伝えようとフランクな交流をと考えて、一緒に温泉に入ったり、ミュージシャンを呼んで一般の方も楽しめる形で音楽会を開催しました」。
文化交流促進の一環として、上海万博でも活躍した女性の和太鼓グループ「未来太鼓道場担ぎ隊」と今、人気沸騰中というLe Velvets(ル ヴェルヴェッツ)という日本のヴォーカルグループ(メンバー全員が身長180cm以上、音楽大学を卒業)が趣旨に賛同して加わり、大会を大いに盛り上げた。
実は、この大会に先立ち、5月9日に神奈川県座間市で開催された台湾高座会留日70周年歓迎大会でも日台若者交流会は大きな役割を果たした。
「私が実行副委員長を拝名させていただき、日台の若者約20人でこの大会を一緒に見届けさせていただくと同時に、大会準備のお手伝いさせていただくなかで、元日本人だった方々の70年の親日の重みやその空気を体感させていただきました」(安西代表)
直近では、7月16日にこれも既定方針通り「超越国境」(安西直紀著)という単行本を出版した。
「秋に第3回大会を台湾で実施すべく準備を進めています。日台若者交流会訪台団を結成することになります。予定では現地の若者との交流や日本にまつわる史跡(文化施設)を見学します」(安西代表)
日程は11月2日~4日まで。11月3日は昨年、第1回大会を台湾(淡水)で開催し、本会が発足した記念日でもある。
「最近は合湾に行く機会が増えて、ずいぶんいろんな場所を見学しています。台北駐日経済文化代表処の羅坤燦副代表の勧めもあり、八田與一記念館に台湾の若者と一緒にレンタカーで行きました。今後は日本と縁のある実業界、ビジネス関係の方や企業の見学も視野に入れていきたい」(安西代表)
「超越国境」の精神が新たな日台交流の歴史を刻んでいるようだ。