世界華人工商婦女企管協会総会(世華総会)は18日、基隆市政府に対して福祉車両一台を寄贈した。これは台湾の政府が推進する福利政策への協力として贈られたもの。世華総会の施郭鳳珠総会長は、「各界が共同で弱者支援団体に協力し、国家や社会に恩返しできれば」と述べ、高齢化が顕著な台湾社会への貢献を願った。
この日基隆市政府で行われた寄贈式典には施郭鳳珠総会長、張通栄基隆市長、僑務委員会呂元栄副委員長などが出席。会場には世華総会の会員らがお揃いのピンクのジャケットを身にまとい、和気藹々として、華やかな雰囲気の式典となった。施郭総会長は挨拶の中で、基隆への寄贈は世華総会日本分会の新垣旬子副総会長が基隆生まれであることが縁で決定したことに触れ、「身体の不自由な人がより便利に生活することが出来るように力添えをした」と述べた。また僑務委員会の呂副委員長は施郭総会長の精力的な国民外交に言及し「僑務委員会としても感動に値する」と称えた。
新垣副総会長は、「日本の社会でボランティアは当たり前とされているけれど、自分の故郷でこうやったチャンスを与えてもらったのは光栄」と、喜びを語った。寄贈された介護タクシーには新垣副総会長の台湾名である「黄美卿号」と名づけられ、市民の貴重な足として活躍することになる。基隆市は三方を山に囲まれており、坂の多い町として知られている。張市長は「基隆には身体の不自由な人々が数千人いる。今回の介護タクシーの導入で全15台となり、もっと便利に、もっとよりサービスが提供できる」と世華総会の寄贈に対して感謝した。
世華総会では今年、基隆市政府のほかに台中市政府や彰化県政府などの自治体や団体に合計12台の福祉車両と1台の救急車を寄贈。今年10月には台北で世界大会が実施されることもあり、この寄贈を通じて多くの人に世華総会の活動内容や社会への取り組みを知ってもらいたいとしている。