7月13日未明に台湾へ上陸した台風7号は、台湾北部や西部を中心に大雨と暴風をもたらした。中央災害対策センターの調べによれば、13日午後10時30分現在で2人が死亡、1人が行方不明。123人が負傷したと言う。
一時は強烈台風(台湾基準)まで勢力を強めた台風7号は、当初の進路予想よりも南側を進み、台湾を直撃した。台風の接近に伴い、中央気象局は11日夜に陸上台風警報を発令。台北市では12日朝から風が強まり、断続的な雨が降り始めた。午後からは北部の自治体を中心に休業休校措置がとられ、台北市内の百貨店では繰り上げ閉店する店舗も見られた。また交通機関への影響では、台湾鉄路が午後から東部幹線を中心に優等列車の運転を見合わせたほか、夜には中山高速道路の五楊高架が強風のため通行止めとなった。
12日深夜から13日未明にかけては台湾のほぼ全域が暴風圏内となり、雨と風が強まった。13日午前3時ごろ宜蘭県と新北市の境界に近い三貂角に上陸。新北市淡水区では帰宅中の警察官が強風に飛ばされたレンガに頭を強く打ち死亡したほか、苗栗県では自宅屋根から転落し死亡した。また、台北MRT文湖線は始発から午前9時ごろまで運休。台湾高速鉄道は15日午後3時までの列車を全て運休した。台風7号は午前8時に新竹付近から台湾海峡へ抜けたが、台湾西半部を中心に大雨と強風が午後まで続いた。
一方、農業委員会が発表した台風7号による農業被害総額は、16日午前11時現在で11億4,775元にのぼっている。特に南投県、苗栗県、台中市では被害が大きく、被害総額はそれぞれ2億元を越えた。また農業委員会では梨、柿、バナナ、米、タケノコなど農作物への被害が大きかったとし、今後台湾人の食卓にも影響することが予測される。このほか教育部の発表によると、全国の学校関連の台風被害総額は2,653万元だった。