南投県政府は7月3日、同月14日から8月11日にかけて台湾鉄路集集線沿線で開催される鉄道旅行キャンペーン「南投火車好多節」のPRイベントを台北駅ホールで実施した。会場には南投県陳志清代理県長をはじめ、台鉄黄明仁副局長、沿線自治体長、イメージキャラクターである「なめこ」なども駆けつけ、目前に迫った夏休みの行楽客誘致を図った。
南投県は台湾の中部に位置する台湾唯一の内陸県で、風光明媚な場所として知られている。また、同県内の二水-車埕を結ぶ集集線は、日本統治時代に日月潭の水力発電所建設のために敷設された路線で、現在ではノスタルジックな雰囲気を楽しめるローカル線として人気のある観光鉄道。この鉄道旅行キャンペーンは、毎年夏休みにあわせて実施されているもの。今年で7回目となる。期間中には蒸気機関車が特別運行されるほか、南投県内で1000元以上買い物をすると、熱気球の搭乗体験が当たるなどのキャンペーンが行なわれる。
南投県陳志清代理県長は「避暑をするなら南投。暑さを忘れられること間違いなし」と太鼓判を押す。また集集線沿線で行なわれるイベントにも言及し、「今年の夏は南投で楽しい陸、川、空を満喫して」とアピールした。また、集集線沿線の名間、水里、集集では果物栽培も盛んで、バナナやパイナップル、ドラゴンフルーツなどの台湾フルーツも楽しめると言う。一方で、南投県政府観光処王源鐘処長は「南投は魅力がたくさん。台湾で一番美しい森林があり、台湾で一番美しい湖がある。そして台湾で一番濃い人情がある。これが南投の魅力だ。これから盛夏を迎えるが、心地よい風と美味しい空気をぜひ味わってほしい」と語り、日本人の来訪も歓迎した。
会場では、集集鎮役場がバナナとライチを持ち込み、来場者に無料で配布。多くの人がつめかけ、あっという間に配布終了となった。このほか、集集駅で販売されている駅弁にも注目が集まった。米や豚のスペアリブ、煮玉子、ソーセージ、キャベツなど、南投産の食材を使用した駅弁は集集駅の名物。担当者によれば、週末には一日700食が売れることもあると言う。また今年は台湾でも大人気のスマートフォンアプリのキャラクターである「なめこ」がイメージキャラクターとして登場。集集線の列車にも乗車する予定で、乗客とのふれあいや記念撮影などのイベントを行なうと言う。