軽度台風(台湾基準)の台風12号は、21日から22日にかけて台湾に最接近または上陸する見通しで、進路によっては台湾全土に豪雨をもたらす恐れがある。また、台湾への接近時は大潮の時期にも重なるため、海岸付近や海抜の低い場所では高潮や浸水にも警戒が必要だ。
中央気象局によると台風12号は20日午前2時現在、台湾最南端である鵝鑾鼻の東南東の海上850kmの地点を時速15kmで西北西に進んでいる。午前8時の時点で中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は28m/s。今後、速度を上げながら台湾東部に接近する見込みで、21日から22日にかけて台湾北部、東北部と東部では豪雨となる予報。
台風の接近にともない、中央気象局ではこの後11時30分に海上台風警報、夜には陸上台風警報を発令する予定で、台風への警戒を呼びかけるとしている。また、すでに北部、東北部に豪雨特報、中南部と花蓮には大雨特報が発令されているほか、今夜から雨足が強まる見込みで、断続的な強い雨に注意が必要だ。
またこの台風の影響で、台湾の西南から吹き込んでくる「西南気流」が強まることが予想されている。このため中央気象局では台風が通過した後も台湾西部では大気の状態が不安定となり、日曜日までは引き続き大雨に警戒が必要としている。