今年で14回目となる「2013年漫画博覧会」が8月15日から20日の日程で、世界貿易センター1館で行われている。会場には毎朝早くから入場を待つ長蛇の列ができ、初日と16日は平日にも関わらず合計19万人が来場した。17日午前に実施された人気マンガ.アニメ「黒子のバスケ」の声優小野賢章と諏訪部順一のサイン会には熱心な女性ファンらがつめかけ、台湾における日本アニメの絶大な人気を見せつけた。
黒子のバスケは少年ジャンプで連載されている藤巻忠俊の人気作品。2012年にはアニメ化され、日本はもとより台湾、香港などでも人気を博しており、今年の10月には第二シーズンが放送される予定。今回訪台したのは主人公である黒子テツヤ役の小野賢章と、主人公の幼なじみである青峰大輝役の諏訪部順一。二人が舞台袖から「声」で登場すると、会場からは大きな黄色い歓声が上がった。その後、実際に舞台上に姿を現すと、日本語で「格好いい」、「大好き」などの声も聞こえた。
以前にもイベントで台湾を訪れたことがあるという小野は「我是小野賢章!一年不見!大家好嗎?(小野賢章です!一年ぶりですね!皆さん元気ですか?)」と、たどたどしくもはっきりとした中国語で挨拶。諏訪部もクールに「好久不見(久し振りだね)」と声をかけ、会場のファンをメロメロにさせていた。また、スペシャルゲストとして紫原敦役の鈴村健一が登場すると会場はさらにヒートアップ。突然の驚きと喜びに悲鳴にも近い黄色い声が沸き起こった。しかし諏訪部は中国語で「你是誰?(どなたですか?)」と話しかけ、会場の笑いを誘った。鈴村は台湾のテレビで沢山の日本アニメが放映されていることに驚いたと話し、「日本のことを沢山の人が知っているんだなと思って、とても嬉しくなりました」と、台湾のアニメ事情にご満悦の様子だった。
最前列に並んでいた会社員の女性は「多彩な声色が好き。沢山のキャラクターを演じることができて、クールな役だけじゃなくて、三枚目の役を演じることもできる」と、高い技術力を持つ日本人声優の魅力を語る。また日本には声優を養成する専門学校があり、「日本は(養成システム)発達、完成してる」と、台湾アニメ界の声優との違いを話す。また、青峰大輝のコスプレをして参加した女性は「日本のアニメが好き。今ちょうど(黒子のバスケが)はやっているから来た」と話す。また、コスプレ服や青い髪のカツラ、青のカラーコンタクトなど、すべてインターネットで購入したという。
サイン会ではほとんどのファンが日本語で「ぜひまた台湾に来てください」、「この前のイベントも行ったんです。すごく良かったです」などと声をかけていた。午後には「霊媒師いずな」や「地獄先生ぬ〜べ〜」などの作品で知られる真倉翔と岡野剛、18日には人気アニメ「進撃の巨人」ミカサ役の声優石川由依らのサイン会も開催される予定。貴重な機会とあって会場は熱気に包まれていた。