横浜中華街のシンボルといえば、「三国志」の豪傑、関羽を祭った「関帝廟」と、これと並ぶ名所として知られる「横浜媽祖廟」(林兼正理事長)である。
「横浜媽祖廟」は、2006年3月17日に落慶開廟したが、遡ること2003年9月頃にマンション分譲大手の大京が、元町・中華街駅に近い南門シルクロードの一角(元駐車場)に地上11階建て計88戸のマンション建設計画を発表したことが発端。
当時、商店会が作る横浜中華街発展会協同組合などが「マンション用の駐車場ができると、隣接道路を歩行者天国にできなくなる」「中華街の衰退を招く」などの理由で反対し、交渉を続けた結果、2004年6月、大京は計画を白紙撤回、替わりに中華街が土地を約10億円で買い取り、そこに「横浜媽祖廟」を建設することにした。
「それで建てるのに5億円ちょっとかかり、全部で約18億円を銀行から借金をさせていただいた次第です。私は財務担当なんですが、毎年の利息の支払いが厳しい状況にありますのでぜひ、皆様にご寄附などのご協力を幅広くお願いできればと思っています」(「横浜媽祖廟」陳祐國専務理事)
陳氏によれば「横浜媽祖廟」も売り上げで健闘しているものの、中華街の100回払いの寄付金(1会員30万円以上)も残り1年半で終了となり、何らかの対策が必要という。
「横浜媽祖廟」は現在、各種神事や媽祖祭、良縁祭、カウントダウン、厄除け神輿くぐりなど年間を通じたイベントで来訪者に親しまれている。
こうしたなか、8月9日には東京台湾商工会議所(銭妙玲会頭)一行が横浜弁事処表敬訪問に際して、「横浜媽祖廟」を訪れ、陳専務理事と懇談、支援などについて説明を受けていた。
「ぜひ、メディアでこうした事情を広く伝えていただければ」と陳専務理事は声を強くした。