~「2013台湾観光ワークショップ・セミナー及び懇親会in東京」開催~
恒例の日本旅行業協会主催の「JATA旅博2013」(9月12日~15日)の期間中イベントとして定着している「2013台湾観光ワークショップ・セミナー&懇親会 in 東京」が9月12日、帝国ホテルで開催された。
同ワークショップ・セミナー&懇親会は台湾観光局・台湾観光協会が主催し、台湾からは過去最大の163名にのぼる台湾観光誘致団が訪日・参加した。
誘致団(※)は、台湾観光局謝謂君局長を名誉団長、財団法人台湾観光協会賴瑟珍会長を団長に、地方自治体観光関係者、各地のホテル、現地旅行会社、観光施設を中心としたサプライヤー(サービス提供者)から構成され、午後4時からのワークショップ(商談会)では、観光パンフレットや資料を手に、訪れる日本の旅行関係者に対し熱心なPR活動を展開した。
セミナーは午後5時開始。冒頭、主催者として挨拶に立った台湾観光局謝謂君局長は、日台間の緊密な関係の例として、日本統治時代の八田與一氏の烏山頭ダムの存在、最近の平溪線と江の電乗車券交流、台北101と東京スカイツリーとの友好関係の締結、玉山と富士山との友好関係の締結などを例に挙げながら、今年1月から7月の統計では日本人訪台旅客数76万人(前年比6.7%減)に対し、台湾人訪日旅客数は136万人(前年比51%増)となっていることを報告した。その上で日本人旅行客の増加を期待するとしながら「直近のデータでは8月は日本人旅行客前年比1%減と、少し改善されたという素晴らしい報告を受けました。昨年は143万人でしたが、今後、今年の目標145万人を達成できるよう頑張りましょう」と力を込めた。
次いで、一般社団法人日本旅行業協会菊間潤吾会長が挨拶した。菊間会長は、「私の知る限り、旅博の期間中に160人の方が来られるのは初めてではないか」と台湾が参加150カ国中、最大規模の代表団を派遣してくれたことに対し、また今回の新企画である旅博市場(商品販売コーナー)の趣旨に賛同し、40小間のブースを出展してくれたことに、感謝の意を表した。一方、日本人旅行者の減少傾向に対しては、「旅行業者が真摯に意見交換を行い、どのようにして相互交流を増やしていくか考えることで十分に落ち込みをカバーできると思っています。早く日台旅客往来人数500万人の声が聞けるような時代が来たらと思います」と自信を示した。
この後、来賓紹介、財団法人台湾観光協会東北アジア戚國福組長による台湾観光代表団紹介と台湾観光事情説明が行われた。
懇親会は午後6時開始。主催者として台湾観光局謝謂君局長が挨拶し、「皆様には『旅博』開催中、ご多忙ななか、ご出席いただき、応援に駆け付けていただき感謝申し上げます。また、2020年、東京オリンピック招致のご成功おめでとうございます」と述べると会場から大きな拍手が起きた。続けて「ぜひ年末までに日本人旅行客145万人を達成しましょう」と関係者に呼びかけていた。
台湾代表として台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表は、東京オリンピック招致成功を祝った後、「昨年の日本着任以来、地方各地を訪問し、行く先々で台湾に対しいい印象をもっていることを肌で感じて深く感銘を受けました」と述べ、今、台日間の地方交流は鉄道や温泉など広い分野に拡大していること、また、昨年は台日間の往来人数が約300万人に達し、今年もその勢いはとどまるところをしらないこと、台日間の交流は、宝塚歌劇団台湾公演の成功に続いて来年6月の国立故宮博物院収蔵品の日本展開催に向け、準備が着々と進んでいるとし、「台日間の相互友好促進と皆様のご活躍を祈念します」と結んだ。
日本側来賓を代表し、一般社団法人日本旅行業協会吉川勝久副会長(KNT-CTホールディングス株式会社代表取締役会長)が挨拶した。吉川氏は、台湾観光誘致団の旅博への参加に感謝の言葉を述べつつ、台湾への海外からの観光客が2010年に500万突破、2011年600万突破、2012年には700万を突破したことに触れて「2016年に1000万人を目指すということで私はいろいろな場面で台湾の国を挙げてのこの観光への集中力を日本も見習わないといけないと言っています」と会場に呼びかけた。
日台の来賓による合同乾杯式の音頭を一般社団法人日本旅行業協会訪日旅行推進委員会丸尾和明委員長(株式会社日本旅行代表取締役社長)が取った。丸尾氏は「副会長が熱のこもった挨拶をしましたので私は短く」と会場の笑いを誘いつつ「私は台湾に行くと日本の故郷に帰ってきたようなほっとした感じになります。これを日本からのアウトバウンドにしっかりつなげ、一方、台湾からのインバウンドの方にも『「おもてなし』をしていきたいと思います」と述べた。
開宴は午後6時半過ぎ。日台の観光関係者総勢350人の賑わいのなか、余興として台湾伝統楽器生演奏(鹿谷国楽団)が始まり、続いて台湾先住民舞踊団「泰雅原舞工坊」が登壇時、歌と踊りを披露すると会場は熱気に包まれた。
今回で二回目の参加だという日本の旅行会社の男性社員は「今回は盛大ですね。去年より台湾の方が多いですし、『台湾好きな日本の方、台湾に来てよ』っていう熱意が伝わってきますね。今は円安と台湾人の親日がダブルになって、11月まで飛行機の席が取れない状況です」と話してくれた。
中締めの挨拶を行った財団法人台湾観光協会賴瑟珍会長は「日本は台湾にとって第2位のマーケットですが、観光協会にとっては非常に重要なマーケットです。ですので今回の代表団の人数はこれまでいちばん多いといっても過言ではありません」と述べた。そして、台湾は日本が好きで旅行客50%増になったが、日本から台湾へお旅行者は落ち込んでいるとし、そこで今回、台湾観光局謝謂君局長は東京事務所に対し「今年の目標を145万人としました。皆様の応援をぜひ、よろしくお願いします」と締めくくった。
※誘致団は役員と出展者からなり、役員は、指導長官が台湾交通部観光局局長謝謂君氏、交通部観光局東京事務所江明清所長、団長が財団法人台湾観光協会賴瑟珍会長、副団長が台湾観光協会日本マーケット謝憲治会長、同張政美副会長、同梁榮堯副会長、顧問(台北市政府観光局など9人)、出展者は、政府機構(台北市政府など9人)、協会組織(台湾レジャー農業発展協会など5人)、航空会社(3人)、旅行業(三普旅行者など9人)、ホテル&リゾート(クラウンプラザホテルカオシュン・イーダワールドなど58人)、その他9名。
台湾サプライヤー、ワークショップで日本の観光関係者にアピール
セミナーに先立ち、午後4時から行われたワークショップ(商談会)は盛況のうちに終始した。参加者の声を聞いた。
高雄アーバンホテルから来た李珮寧さんは「はじめて参加しました。高雄はいい街です。ぜひ日本の皆さんに一度足を運んで欲しいと思います。どれだけのお客様と商談できるか分かりませんが頑張ります」と興奮気味に話した。宜蘭縣の温泉街から来た礁溪郷観光産業発展所の洪文言所長は「礁溪温泉は台湾で唯一の平地温泉です。美人湯として知られ、無色無臭の温泉。台北から45分と近いです。地理的には前は海、後ろに太平山があります。太平山は日本の神社に檜を産出しました。礁溪温泉は日本と縁が深い温泉です。ぜひ、日本の皆さんに来てほしい」。
Howardホテルの王友君さんは、流暢な日本語で「松山空港から10分と交通便利です。弊社は日本の京王プラザホテルと業務提携して『おもてなし』の心を学んでおり、そこが特徴です」とPR。一方、同ホテル東京事務所山本信行所長は「京王プラザのサービスの仕方を指導したりお手伝いしています。レストランが有名ですよ。今年の印象は円安の影響で台湾への旅行客が減っていますので、もっと来て欲しい。今回の台湾からの観光誘致団は150人以上と聞いています。これまではもっと少なかったと思います。意気込みが伝わりますね」と顔を綻ばせたていた。
ワークショップ(商談会)は約1時間で終了した。