10年ほど前に産声を上げた日台学生交流会が9月28日、都内台湾料理店で秋の定例交流会を開催、45人の日本人学生、台湾人留学生、OBなどが集った。
NPO法人日台学生交流会は、現・代表理事の和田健一郎さんが約10年前、日本人と台湾人学生の交流の会を、台湾に留学中、帰国した際にたまたま見つけた錦糸町にある台湾の精進料理店「イッツベジタブル~苓々菜館~」(台湾式ベジタリアンレストラン)で企画したのが始まり。初回は20人予定が7人しか集まらなかったというが、現在ではNPO法人となり、イベントへの参加者は何倍にも増えた。
和田さんの台湾との交流は、2002年に慶応大学で企画された李登輝元総統の講演会がビザが下りずに中止になったこと、台湾という単語すら制約を受ける当時の状況、2003年に李登輝元総統とインターネットを使った講演会を企画したことなどから始まった。その後、2004年には台湾に留学もした。
「李登輝元総統の講演会中止を見て、日本には言論の自由があるはず、台湾というちゃんとした名前を使った民間交流をやっていこうと決意し、有志と会を立ち上げたわけです。私たちが危機感を抱いているのは台湾の日本語世代がいなくなった場合、言葉の壁ができてくるのではないか。思ったこと、意志を伝え合うことが困難な時代が来るのではないかということです。ですので、2010年には本を出版したり、これからも文化交流の場や機会を広げていきたいと思っています」(和田健一郎さん)
ちなみに参加費は、留学生が1000円、日本人学生2000円、大人が4000円だった。
「僕が台湾に行った際にはとても親切にされたわけです。今度はお返しをする番だと。また、将来への投資でもあります」(和田さん)
交流会は午後6時過ぎに開始となり、和田さんの開会の挨拶の後、参加者全員の自己紹介へと続いた。台湾からの留学生男女、日本人学生男女、OB・社会人など多彩な顔ぶれで、初参加も多かった。日本人学生のほとんどは短期・長期の留学経験があり、中国語を話せるものも少なくなく、逆に台湾人留学生も日本語が上手だった。
初回から会場を提供・サポートしている「イッツベジタブル」の中山芳玲代表は「10年前に和田さんがうちに来たのが縁。和田さんは台湾が好きで来るようになりました。留学生交流会は大賛成。学生はパワーがありますし。台湾が仲良くなるために役立てて嬉しい」と述べていた。
ある日本人女子は「この交流会で友人ができた後に台湾に留学し、そこで友人と再会できたり、帰国してからは交流会で『お帰り~』って言ってもらいました。嬉しかった」。
台湾人留学生男子は「僕は日本の交流協会の奨学金で早稲田に留学させていただいています。今回で3回目の参加です。両国の架け橋になりたいですね。また台湾のいいところを多くの日本人に知ってもらいたいと思います」
交流会は午後9時まで続き、集合写真撮影の後、散会となった。