台北駐日経済文化代表処元代表・許世楷氏の講演会、福岡で開催

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許世楷氏
許世楷氏

台北駐日経済文化代表処代表・許世楷氏の講演会(テーマ:「台日米中関係から台湾と日本の前途を見る」)が、福岡市で開催された(台日文化交流会主催、台北駐福岡経済文化弁事処・台湾貿易センター福岡事務所後援)。

台北駐福岡経済文化代表処戎義俊処長
台北駐福岡経済文化代表処戎義俊処長

冒頭、台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長が壇上に立ち、「10年前、許世楷氏が台湾の駐日大使として着任して以来、私は駐日大使館の一職員として4年間、勤務した。大使と夫人から人となり、人への接し方、謙虚な人当たりを目の当たりにし、多くのことを学んだ」と許世楷氏の人柄に触れた。「『他人から受けた恩義は必ず恩返しする』という言葉が台湾にはある。人と人、街と街、国と国が一つのきっかけで大きく強く結ばれるものだ。2004年まで面識がなかった大使と夫人だったが、縁を以て、大使と夫人から沢山のことを教えていただいた」と、来福して講演を行う許世楷氏に対し感謝を述べた。

九州台日文化交流会四維宗暁会長
九州台日文化交流会四維宗暁会長

九州台日文化交流会・四維宗暁会長は「許世楷先生は、文化、学術の交流に多数の功績を挙げられた。今日は、このような講演会を開催でき誠に喜ばしい」と挨拶した。

許世楷氏は、台湾人のアイデンティティについて触れ、「台湾での調査で『あなたは台湾人ですか?中国人ですか?』という質問に対し、『台湾人』と答えたのは77.6%、『中国人』と答えたのは10.1%。また、『両岸が統一する』のに賛成が25.9%。『台湾が独立する』が59%。『現状維持(中国の一部にも入らない)』が10.3%と、台湾人の多くが『中国の中に入りたくない』と答えている。『あなたは自分の国と何と呼ばれたいか』という質問に対しても、『台湾』が78.9%。『中華人民共和国』が2.4%。『中華民国』が9.6%という結果になった」と現状を報告した。

多くの来場者が詰めかけた
多くの来場者が詰めかけた

許世楷氏は、2004年から台北駐日経済文化代表処代表を務め、在任中は台湾人観光客の査証免除、運転免許証の日台相互承認を実現。津田塾大学名誉教授も務めている。

「7年後の東京オリンピックには、『チャイニーズタイペイ』という名称ではなく『台湾』とはっきり呼んで欲しい。台湾は言論の自由も選挙もあり、日本と共通の社会価値観を持つ。アメリカ、日本、東南アジアで共通の社会的価値観を持つ国々と手を組んでいかなければ台湾の安全は守られない」と、台湾の安全保障についても触れた。

講演の後、許世楷氏に花束が贈られ、会は幕を閉じた。

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