米国・ニューヨーク出身の歐陽姍さん・・・・台湾芸能界で人気を集める女性タレントだ。台湾で放送されているトーク番組に外国人パネリストとして出演する一方、歌手としても活動。朗らかな性格で他の台湾人タレントからの信頼も厚い。「飄洋過海到台灣(海をさすらい渡って台湾に来ました)」というタイトルのCDアルバムも発売した。「初めに台湾に来たのは22年前、中国語の勉強に来ました。芸能活動をする気はありませんでしたが、言葉を勉強し東洋の文化に触れ、台湾の歌謡界にも興味を持ち始めました。もともと歌うことは好きで、カラオケに行ったり、時折、人前で歌ううちに『台湾歌謡界』にも注目するようになったんです」
アメリカで歌手の経験はなく台湾で初めて「歌手、タレント」を意識するようになった歐陽姍さん。「産まれたのはニューヨークのヤンキースタジアムの近くですね。25歳くらいまでニューヨークで過ごし、大学ではファッションを学びました。ニューヨークは活力に溢れ異文化も受け入れる都市。縁あってニューヨークで中国語を学び始め、だんだんと中華圏の文化に引き寄せられました」
歐陽姍さんは台湾人の男性と結婚、台北で女児を出産。一旦はボストンで生活し、その後、台湾に戻ってきた。「私はアイルランドの父親、ポーランドの母親の間の子供で、ヨーロッパからの移民2世にあたります」….台湾番組では流暢な中国語で特にはユーモアを交えながらアメリカ文化についてトークする。「台湾は初めて来た頃から開放的で住みやすかったし、台湾の方々もアメリカ人に対して友好的でした。台湾には、伝統を重んじる文化がある一方で、茶葉や果物、食品等に対して『改良』を加えていくような積極性のある国です」
歌手として、台湾歌謡番組で歌唱が評価されたシンガーに贈られる「五燈獎」を獲得した。昨年出したアルバムには9曲収録。歌詞には「台湾生活での艱難辛苦」が盛り込まれており、曲調は台湾クラシック。歌詞は全て中国語だ。「歌を唄うことで『大儲け』というわけにはいきませんでした(笑)。スーザンボイルは西洋で成功しましたが、歐陽姍は東洋でただの「おばさん」ですよ(笑)」とユーモアたっぷりに話した。ニューヨークは、世界で最も文化が豊かな都市とされているが、歐陽姍さん自身も海外で生活し異国の男性と結婚し、文化を受け継ぐ一人の継承者である。「私はずっとニューヨークで暮らすものだと思っていましたが、いまこうして台北にいるのは運命なのかもしれませんね」…. 歐陽姍さんは屈託の無い笑みを浮かべた。
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