「台北故宮博物院展」の告知、九州国立博物館でも始まる

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九州国立博物館で今年10月に開かれる「台北故宮博物院展」の一般向けの正式な告知が福岡県内で始まった。会場となる太宰府市の九州国立博物館のエントランスには、東京、福岡でそれぞれ開催される日時などが片面ずつに印刷されたチラシを準備。黄色面の方は「東京開催(6月24日〜9月15日)」の案内で、期間限定(6月24日〜7月7日)で公開される「翠玉白菜」が押し出されている。「翠玉白菜」とは翡翠から白菜を彫刻した清時代の宝飾品。また、緑面の方は「福岡開催(10月7日〜11月30日)」を告知、九州国博のみの限定公開(10月7日〜10月20日)となる「肉形石」の写真と、中央には「門外不出の『肉形石』奇跡の出品!皇帝の至宝110件、台北から初来日」と謳っている。「肉形石」は、瑪瑙で豚バラの角煮を再現した清時代の宝飾品。瑪瑙の赤と白の縞目で豚バラの角煮特有の「赤身」と「脂身」の層が表されている。

台北市・故宮博物院は世界四大博物館の一つで、歴代中国皇帝のコレクションをはじめ、69万点の文化財が収蔵されている。中国最後の王朝・清が倒された時、歴代王朝から引き継いだ財宝は中華民国政府が引き継いだ。中華民国政府は1925年、北京の宮殿と財宝を公開。日本軍の中国侵略が激化したため、1937年に財宝を北京より上海、南京へと移した。さらに日本軍からの攻撃を避け、大陸奥地に分散して保管。国共内戦で国民等政府は敗北、大陸を脱出し、台湾へ。その際、南京などにあった財宝類は軍輸送艦などで台湾に運ばれた。これまで、故宮博物院の展覧会はアメリカ、フランス、オーストリア、ドイツでしか開かれたことがなく「アジア」での開催も初めて。今回の展示会は、中国歴代の文化財を60万点以上収蔵している台北・故宮博物院から代表的な作品を厳選して展示する。今年秋の開催だが、九州の政財界では早くも気運が高まっている。

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