日本では、「学業の神様・菅原道真公」を奉ることで知られる太宰府天満宮、正月の初詣や受験前の参拝に全国から訪れる日本人は多いが、「合格祈願」のためお参りに訪れる台湾人も数多い。菅原道真(845–903)は、平安時代の政治家で、太宰府へ権帥として左遷され現地で没した。死後、天変地異が多発したことから「天満天神」として信仰の対象となっている。
初詣の際には毎年200万人以上の参拝客がある太宰府天満宮では、今年も日華親善観梅会が開かれた。「美しい梅を見ながら日台の更なる友好を祈願する」という催事だが、天満宮と台湾行政機関との厚いパイプを思わせた。
台湾でも過熱気味な「受験戦争」。台湾各地でも「補習班」に通い、勉強漬けになっている学生は多いが、さらに「神頼み」をしたいとあって、学生本人は学校や補習班の授業があるため直接訪れるケースは少ないものの、その家族や親戚が代理として太宰府天満宮に合格祈願に訪れるケースも少なくない。太宰府天満宮は、日本人のみならず、台湾や韓国からの参拝客でも溢れている。天満宮敷地内の見所は「飛梅」。拝殿の右手前に立っており、飛梅をバックにした「記念撮影」は参拝客や外国人観光客の定番となっている。
代理の参拝客が合格祈願を終えた後の「お目当て」は、太宰府名物の「梅ヶ枝餅」。小豆餡を薄い餅の生地でくるみ、梅の刻印が入った鉄板で焼いたもので、熱々の状態で食べると口の中に甘みが広がる。梅ヶ枝餅に緑茶・・・は台湾人観光客も満喫できる「合格祈願+太宰府天満宮観光」の王道かもしれない。