台湾・工業技術研究院(ITRI)が開発した歩行支援ロボット・Active Gearによる、テムザック社との連携プロジェクトに関する記者会見が3月24日、泉ガーデンタワーにて行われた。
このプロジェクトはITRIの研究開発した歩行支援ロボットに目を付けた、以前からITRIと付き合いのある株式会社テムザックが、日本でのActive Gear商品化を目指し、ITRI、株式会社テムザック、鳥取大学医学部付属病院、早稲田大学理工学術院ヒューマノイド研究所、株式会社アダチ等をパートナー機関として商品化開発を行うというものである。
会見には台湾から来日したITRI機械システム研究所技術ディレクターの胡竹生氏やマネージャーの巫震華の他、テムザック技術研究所の代表取締役会長・高本陽一氏やテムザック技術研究所の代表取締役社長・檜山康明氏などの関係者が参加し、胡竹生氏と檜山康明氏はパートナーシップセレモニーにてサインと握手を交わした。
メインイベントのデモンストレーションでは、開発途中の歩行支援ロボット・Active Gearが披露された。Active Gearは体の不自由な患者の歩行を補助するロボットで、腰から太もも、ふくらはぎ、足にかけて装着する。鳥取大学医学部附属病院の医療機器部門長・植木賢氏によると、Active Gearの特徴は、股関節及び膝関節のパワー支援、歩行、立ち座りなどの移動に、無駄なく力を省くことや、腰部に開閉装置を付けることによる装着の利便性向上、歩行する際の動作司令を筋電位ではなくコントロールクラッチにあるスイッチで行うことなどがあげられる。
また、実際にActive Gearを装着した感想を聞かれた脊損患者の舒天縱さんは、「一年前、最初に使用した時は興奮した。一般の補助器具は力がいるが、これは負担がないので楽。ある程度サポートしてくれるので安定していて、まるで背もたれがある感覚だ。自分にもう一度立ち上がるチャンスをくれたこのロボットに感謝したい。今後、このロボットが改良され、もっと軽くなり、自分の生活に入り込むように進化してくれたら嬉しい。」と話した。
デモンストレーション後の質疑応答中、サプライズで鳥取県知事・平井伸治氏が登場。中国語、台湾語を用いて挨拶をした後、Active Gearの開発支援について話した。
平井伸治知事に、鳥取県と台湾の交流について聞いたところ、「台湾交流のきっかけは鳥取県産の梨の輸出である。また、すでに鳥取県内の二つの町が台湾との姉妹提携を始めている。そういった意味では全国でも、台湾との交流が進んでいると言えるだろう。今後、今回のような経済面での交流も発展させていきたいと思う。」と述べた。