一般社団法人亜東親善協会は5月12日、ホテル・ルポール麹町にて一般社団法人亜東親善協会第2回通常総会を開催した。同会は総会、講演会、懇親会の3部門に分かれて行われた。
講演会では講談師である一龍斎貞花氏が「台湾に東洋一のダムを造った~八田與一物語~」について講演した。着物を着て登場した一龍斎氏は講演の冒頭で台湾に対し、東日本大震災時の台湾からの多大な支援に感謝を述べた他、昨今のアジア情勢や今年6月に東京他で行われる故宮博物院について語った。そして話が終わるとポンッとセンスで机を叩き会場の雰囲気を一変させ、「八田與一物語」を語り始めた。
講演後の懇親会で一龍斎氏は「私は書籍を通して八田與一を知った。台湾では知らない人がいないと言ってもいい程有名な八田與一だが、驚くべくことに八田與一は日本ではあまり知られていないのだ。そこで私は一人でも多くの日本人に八田與一を広めていくため、様々な場所で機会があるたびにこの話をしてきた。自民党の方に教科書に八田與一のことを載せてくれないか?とお願いもしている。また、来年は明治大学での講演も決まっている」と述べた。
一龍斎氏による八田与一物語を聞いた中華民国(台湾)留日東京同學會会長であり明治学院大学の留学生である林尚褘さんは講演会について「台湾では八田与一は小学校3・4年の教科書に載っているのでとても有名だ。今回一龍斎先生の講演で更に八田与一についての知識を深めることが出来た。日本人の方々にも八田与一を知ってほしい」と話した。
懇親会では亜東親善協会の大江康弘会長が挨拶で「こうして皆様に支えて頂き、社団法人から一般法人へと移行し2年目となった亜東親善協会を今後とも変わりのないご指導・ご支援を頂きたい」と述べた。
また、懇親会には台北駐日経済文化代表処徐瑞湖副代表をはじめ、華僑関係者、国会議員、台湾人留学生などが参加。懇親会の挨拶に立った来賓は皆口々に日台間の観光について話しており、徐副代表は台湾旅行客が増えたことによる日本の観光バス不足についても触れ、「観光バスが不足している事態は大変なことであるが、日台間の旅行客の行き来が急増している証拠である。これから両国の関係がどんどん密接になっていくことを感じている」と述べ、日台関係の更なる発展に期待をよせていた。