台湾教育の現状を報告し、九州から台湾への修学旅行を推進する「台湾教育の現状と修学旅行セミナー」が、福岡市内で開催された。九州各地の教育関係者や旅行代理店関係者ら約90人が出席した。
台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長は「東日本大震災の義援金の殆どが民間から自発的に集まるなど、台湾は世界一の親日国家。観光交流、人的往来が頻繁だ。一方で、日台両国の青少年は、相手国に関し認識が浅く、その意味でも修学旅行の重要性は高い。修学旅行が、日台友好の架け橋となった先人ゆかりの場所を訪ね、その偉功を忍ぶことで、生徒たちが世界に大きく眼を開き、日本人としての自覚と国際感覚を身につけるきっかけになることを願っている。これを皮切りに、今後、九州各県の高校が陸続きのように台湾への修学旅行を実施し、多くの高校生が台湾を訪問することで、各県と台湾間の観光、物産、交通の活性に繋がれば」と挨拶した。
台北駐福岡経済文化弁事処の林育柔文化課長は「台湾の首都、台北市は福岡との距離は約2時間しかかからない。台湾は世界の地図から見るとロケーションが非常に良い、経済貿易にもふさわしい地域だ。地理上のメリットがうまく働き、台湾の人は眼が外に向き、積極的に海外に進出。台湾社会の国際化にも良い影響を与えている」と台湾の利点をアピールした。
また、2011年から毎年、台湾への修学旅行を実施している熊本県立大津高校の白濱裕前校長が「我が国の若者の『内向き志向』が指摘されている。国際化が進展する中で、国際感覚を磨き、日本人としての自覚を持たせるため、パスポートを取らせ、外国の若者と交流することが必要と考え、台湾への修学旅行を実施した。台湾は生徒の安全確保の面で、親日的な人々が多く治安も良い」としたうえで「台湾への修学旅行が契機となって阿蘇くまもと空港国際線の活性化、熊本県と台湾間の観光・物産の振興に繋がって欲しい」と今後への期待感を語った。その他、台湾留学サポートセンターによる台湾留学や研修に関する情報紹介、台湾観光協会大阪事務所による台湾教育旅行事情の説明、チャイナエアラインによる機材、スケジュールの説明も行われた。