欠落していた「國立」の文字…「台北國立故宮博物院-神品至宝-」中止の恐れ

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「国立」文字がしっかりと入ったポスター
「国立」文字がしっかりと入ったポスター

国立故宮博物院(台北市)は6月20日、6月24日から開催予定の特別展「台北国立故宮博物院-神品至宝-」について、同展の名称に「國立」が冠されていないポスターがあることを指摘。日本時間6月21日夜12時までに全面撤去すると書面で約束することを日本側に求めた。

「国立」の文字が入っているポスターと、入っていないポスター
「国立」の文字が入っている館内のちらしと、入っていない上野駅に設置されたポスター

また、馬英九総統もすでに日本側との厳正な交渉を行政院に指示しており、前向きな対応が見られない場合はすべての関連行事を中止するとしている。本日6月20日に行われる予定であった門外不出の「翠玉白菜」の箱開け式も中止となった。「國立」という文字の欠落が引き起こしたこれらの事態は、台湾の各メディアでも大きく報道されている。

同展開催をめぐって台湾側は、前提条件として中国大陸による美術品の差し押さえを防ぐための「海外美術品等公開促進法」制定や、「國立」の文字の使用を求めていた。この前提条件は東京国立博物館及び國立故宮博物院、九州国立博物館の間で結んだものであった。

東京国立博物館総務部長・栗原祐司氏
東京国立博物館総務部長・栗原祐司氏

箱開け式の会場で東京国立博物館総務部長・栗原祐司氏は「おととい台北・國立故宮博物院から連絡があり、マスコミの作成したポスターに“國立”の文字がないとの指摘を受けた。当館では今までも展示会を行う際、協定書で結んだ正式名称をどのような形で掲載するかはマスコミ各社にお任せしていた。今回もそのような対応をし、マスコミは同展の略称を使用。このような事態に陥った。既に当館は各メディアに台湾側の要求を伝えている。この2日間台湾側とも連絡を取り合い、開催に向けて協議を行っている。台湾側はもう少し具体的な策を提示してくれなければ開催をすることは出来ないという考えを述べている。こちらとしましては、ここまできて中止ということは考えられない。開催を実現させるため、最善をつくしたい」と述べた。

 

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