台北國立故宮博物院(以下:故宮)の厳選された収蔵品の186件を日本に紹介する特別展「台北 國立故宮博物院展‐神品至宝‐」が6月24日、東京国立博物館(以下:東博)にて開幕する。それに先立ち6月23日には、東博平成館1階ラウンジにて開会式と内覧式が開催された。
同式には故宮・馮明珠院長や東博・銭谷眞美館長、九州国立博物館・三輪嘉六館長、日華議員懇談会・平沼赳夫会長、駐日経済文化代表処・沈斯淳代表、文化庁・青柳正規長官、その他主催する各マスコミの代表らが参列。馮院長及び銭谷館長、平沼会長による挨拶や主催者代表によるテープカットの他、琵琶奏者の梁家寧さんと舞踏家の蕭賀文さんによる演目を催し、同展開幕を祝賀した。
同展開幕をめぐってはポスターなどに「國立」という文字を表記していなかったことが問題となり、一時は開催が危ぶまれていた。
これをうけた銭谷館長は挨拶の冒頭で「同展の開催に当たり、ポスターなどにおける台北國立故宮博物院の名称表記などについて台湾の皆様方に不快な思いをお掛けしました。東博館長としてこの問題を真摯に受け止め、速やかに是正を行ってきました。このような事態をまねいたことに対し、お詫びを申し上げます」と謝罪を述べ、誠意をみせた。
また、馮院長も「友人関係で最も大切なのは、誠実さやお互いを尊重する気持ちです。この2、3日で発生したことは残念だったが、幸いにも最後には東博は台北國立故宮博物院の正式名称を尊重してくださり、無事開幕を迎えることが出来ました。日台の友情を大切にしてくださったことに感謝申し上げます」と、変わらぬ日台の友好関係を強調した。
同展では門外不出の「翠玉白菜」が初来日することや、NHK・NHKプロモーション・読売新聞社・産経新聞社・フジテレビジョン・朝日新聞社・毎日新聞社、東京新聞といった日本の大手マスコミが揃って主催することでも話題となっているため、開会式後の内覧会には多くの招待客が来場。入り口前には入場を待つ招待客による長蛇の列が出来ていた。
翠玉白菜を鑑賞した招待客の女性は「翠玉白菜は細部まで丁寧に彫られていて、とても人間が作ったものとは思えない完成度だ。キリギリスの産毛まで再現されていた。こんなに素敵な台湾のお宝を日本で観ることが出来て幸せだ」と話していた。
なお、同展には日本限定の故宮グッズが100点以上登場している。翠玉白菜とハローキティがコラボレーションした雑貨や、翠玉白菜の折りたたみ傘、翠玉白菜の形をしたサブレーの“はくサブレー”など。このことからもわかるように、同展で注目すべきはやはり翠玉白菜のようだ。翠玉白菜の展示は7月7日までの2週間限定。多くの来場者が予想される。