福岡県久留米市発祥で、九州を中心に展開している老舗アイスクリーム店「古蓮」が、台湾進出を検討している。古蓮は昭和24年に久留米市で開業。バニラアイスは、牛乳、卵、砂糖、バニラビーンズ、抹茶アイスクリームは抹茶、牛乳、砂糖というシンプルな材料で、乳化剤や安定剤は使用していない。舌触りの滑らかさやほんのりとした甘さが好評。福岡三越、福岡岩田屋、小倉井筒屋など県内県外に茶房、直営店を展開し、地元の人を中心に愛され続けている。茶房では、月見あんみつや抹茶白玉ぜんざいなども取り扱う。
日本の飲食業界が台湾進出を果たす中、古蓮でも台湾進出を本格的に検討しはじめた。古田正夫代表は「多くの台湾の方々にも我々の提供するアイスクリームの味を知って欲しい。台湾の飲食店で我々との業務提携先を模索している」と話す。台湾では、日本発の「ブラックサンダーアイス」が爆発的なヒットを遂げ、日本からの進出に拍車をかける。
台湾の百貨店では福岡県産品フェアなども多数開催され「食」の面でも、福岡と台湾のコラボレーションは活発になっている。大手食品メーカーが台湾に進出するケースは少なくないが、福岡県の老舗「古蓮」の台湾での販売が実現すれば、業界にとっても活気的なことになる。
古田代表は「食は『国境』を超える。特に台湾の人は食に対する『こだわり』が深い。今まで地域を中心に多くの皆さんにご愛顧いただいたが、我々も親日国家台湾で展開することに今後の可能性を感じている」と述べている。日本の「抹茶アイスクリーム」の台湾進出への模索に注目が集まる。