太宰府市の九州国立博物館で、中国の歴代に渡る優れた文物などを展示する「台北国立故宮博物院展」の開会式が行われた。二胡・揚琴の演奏者が「さくらさくら」「台湾民謡・望春風」「龍船」「阿美族舞曲」「花が咲く」などを華麗に演奏して、会場を盛り上げた後、開会式がスタート。
九州国立博物館の三輪嘉六館長が「来年10周年を迎える九州国立博物館は、これまで多くの特別展を開催してきたが、本展を開催することはなかなか叶わなかった。『海外美術品公開促進法』が成立したことで、実現に繋がった。多くの人の議会を始め、経済界・産業界の方々に後押しをしていただいた。皆さんのご尽力に感謝したい。これまで門外不出であった『肉形石』も出品していただいている。歴史に関心を持つ多くの人々の夢が、東京に引き続き、当館でも実施できた。本展は優れた収蔵品の中から代表的なものを抽出している。皆さんには中華文明の『奥行きの深さ』を堪能いただけるだろう」と挨拶した。
続いて、国立故宮博物院の馮明珠院長が「今年6月から9月の東京開催には40万2000人を超える皆さんが足を運んだ。私どもの企画を来場された皆さんが喜んでいただけたことの証しだと感じている。これまで、日本と中華民国の間では文化や芸術の交流が行われてきた。九州の皆さんに紹介する文物をどのように選ぶのか、大きな課題だった。その中で、東京とは一味違った作品を選んだ。素晴らしい展覧会を存分にお楽しみいただきたい」と述べた。
また、福岡県・小川洋知事が「関係者の皆さんに感謝したい。アジア初の台北国立故宮博物院展の開催、非常に感慨深い。今回の展示会では肉型石をはじめ中華文明の素晴らしさを実感して欲しい」と話した。
この展示会の開催に向け、特別後援という形で大きな役割を担っていた日華議員懇談会副会長の衛藤征士郎・衆議院議員は「私達の悲願であった特別展が九州の太宰府で開催できたことに感謝したい。この日のために多くの方々が心血を注いでくださった」と感謝の言葉を述べた。また、展覧会のサポーターとしても活動する福岡ソフトバンクホークス・王貞治会長や、色鍋島今右衛門窯十四代・今泉今右衛門氏らも来賓として参加。一同でテープカットを行い、開会式を締めくくった。