埼玉地区の華僑のために、日台交流のために~埼玉台湾総会初の女性会長榎本さんにインタビュー~

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埼玉台湾総会の会長を務める榎本友里(林月理)さん
埼玉台湾総会の榎本有里(林月理)会長

本籍地を離れ異国で生活をする台湾籍の「華僑」は日本に約3万人(2014年6月法務省“国籍・地域別在留資格〈在留目的〉別在留外国人”調べ)とされ、その華僑により構成される団体は広く全国に散在する。埼玉県新座市在住の榎本有里(林月理)さんも華僑の1人であり、日本人の夫と会社経営をする傍ら、4年前より地元の埼玉地区の華僑団体「埼玉台湾総会」の会長に就き、目下、日台の交流活動に尽力している。

同会初となった女性会長でもある榎本会長は、女性ならではの感性を生かし、音楽やダンスなどの芸術を通しての日台交流活動に力を入れ、これまでの会のやり方とは一味違った活動を行っている。日台の中学生吹奏楽部による日台国際交流演奏会はその代表例。台湾から中学生約120人を招いての演奏会を実施するもの。若い世代の日台交流を実現させるとともに、大変賑やかな会になり、交流も盛んになったという。また、台湾の建國記念日である國慶節のイベントでも通常の懇親会とは一線を画し、日台双方からの歌手や演奏家を招いてコンサート形式による催しを実施しているなど、これらの工夫ある催しは、やはり女性目線から生み出されているもの。

榎本会長は「食事だけのパーティーも良いが、もっと有意義な活動をしたい。大変だけどやりがいがある」との考えのもと、このような活動を行っている。これまで4年間、会長を務め日台の関係性を見つめてきただけに、「東日本大震災の発生により日台の関係は大きく変化したと考えている。震災後、日本人が台湾に対する見方がかわったと感じる。台湾は小さい島にも関わらず、東日本大震災の時には世界一の義援金が集められた。日本人はお金というよりも、その温かい気持ちに感動したのでは。最近では近所の人が遊びに来て“台湾人のお嫁さんがほしいのだけど紹介して欲しい。台湾の人は心優しくて面倒見もいい”とよく言われます」と話す榎本会長。そんな榎本会長も東日本大震災後、「埼玉台湾総会として、被災者の方々のために何か出来ることはないだろうか」という思いから様々なチャリティー活動も行っている。被災地への義援金集めを目的としたチャリティコンサートの開催や、埼玉県に一時避難してきた被災者らに対して1日台湾料理体験を通した心のケアなどを実施し、震災復興に対して様々な貢献をしてきた。また、毎年敬老の日には、無料医療ボランティアを行うなど、社会福祉にも貢献している。

榎本さんのご自宅にて
榎本会長のご自宅にて

榎本会長は「華僑団体に入って本当に良かったと思う。視野も広がり素晴らしい人にもたくさん会えた。今後は老人ホーム建設の計画や身体障がい者福祉施設の企画を進めていきたい。そして埼玉地区の華僑の皆さんには是非埼玉台湾総会に参加してほしい。せっかく同じ埼玉に住んでいるのだから、色々な活動を通して一緒に埼玉で幸せになりましょう」と、同会のさらなる発展に余念がない。榎本会長の活動に注目していきたい。

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