国際インダストリアルデザイン団体協議会がデザインを通じた都市の社会的・経済的・文化的発展を推進すべく、モデル都市を2年に一度、立候補都市から選出する「ワールド・デザイン・キャピタル(以下=WDC)」の2016年の開催地に台北市が選ばれたことを記念し、台湾デザインの交流会「Taipei Night Reception Party」が10月27日、東京・テレコムセンタービルのモノづくりコワーキングスペースにて開催された。
同会には台湾から台北市文化局の林慧芬副局長、台湾デザインセンターの陳文龍CEO及びWDCチーム関係者らが参加し、WDCムービー放映やWDC計画紹介、台湾クリエイターによるプレゼンテーションなどを通して日本のデザイン業関係者らと交流を深めた。
林副局長は「私たちは“デザインは人なり”の精神を基にしている。我々はデザインの力を借りて、台北市をより一層住みやすい都市にしていきたい。2016年に皆様にお会いできるのを楽しみにしている」と呼びかけた。
陳CEOは2016年のWDC開催地に台北が選ばれた理由として、「台湾のデザインはデザイン力が優れているだけでなく背景に豊かな歴史や文化がある。更に台湾は島国なので、国内のマーケットだけでは成り立たず、どうしても海外に進出しなくてはならない。しかしこれが起因して様々な国との交流が生まれ、台湾・台北を知っていただくきっかけになったのだと思う」と述べたほか、「せっかくこのような機会を頂いたのでデザイナーだけでなく市民を巻き込み、インフラレベルのものまでデザインを導入していきたい。単なるお祭りではなく、本当に我々の生活を良くしていくような成果が残せるように努力していきたい」と意気込みを述べた。
また、ゲストとして参加していた日本デザイン振興会の青木史郎常務理事は「台湾のデザインはここ5年くらいで力を持ち始めている。台北はどこの国の人がいってもハッピーになれる。この力はデザインにおいてとても重要な意味を持っている。このことを出来れば現地の台湾人方々に理解してほしい。WDCはそのいい機会になるだろう」と話していた。
WDCの開催はイタリアのトリノ、韓国のソウル、フィンランドのヘルシンキ、南アフリカのケープタウンに続き台北で5回目を迎える。WDC TAIPEI 2016では「紫」をシンボルカラーとし、情熱的かつ積極的でありながら派手でなく、格調高いという台北の魅力を表現していく。
また10月25日~11月3日、台北市は東京デザイナーズウィークにも出展。ここでは「お茶」を通じて台湾の人文精神を表し、台湾の名高いお茶4種に、台北市の16の都市発展プロジェクトをイメージしたグラフィックをあしらったパッケージのお茶を配布し、ひと味違う「デザインの台北」をアピールした。