福岡佛光山寺が主催する医療講座が23日、福岡市早良区の福岡佛光山寺で開かれた。今回のテーマは「乳がんってどんな病気?」で、福岡市や近郊に住む約30人が参加した。講師は、須恵外科胃腸科医院の宗﨑正恵副院長で「乳がんとはどのような病気か」「どのような検査で乳がんだと確定診断されるのか」「乳がんの病期とその治療法について」とテーマを区分し、講演を行った。
乳がんは、乳頭から放射状に張り巡らされている乳腺にできる癌で、乳がん検診やしこりなどの自覚症状で発見されることが多い。また、日本では乳がんにかかる女性が年々増加傾向にあり、年間約5〜6万人の女性がかかると推定される。乳がんにより死亡する女性も、これまでの50年間で7倍に増加、2011年は1年間に1万2700人が死亡したという調査も出ている。女性の全年齢層を見ると、大腸がんや肺がんで亡くなる件数が多いが、40歳前後を境に、乳がんで亡くなる件数が増え始め、35歳から64歳までは、乳がんが死亡原因の第1位と言われている。
宗﨑副院長は「乳がんの危険因子として、40歳以上という年齢、未婚の方、高齢初産、出産をしていない方、初潮が早く閉経が遅い人、肥満の人、血縁者に乳がんになったことがある、などが挙げられる。しかし、一方で、早期の段階であるほど治癒率が向上。治療法は、局所療法と全身療法があり、これらを適切に組み合わせる。乳がんは早期に発見すれば怖くないので、検査などで早期発見に務めて欲しい」と話した。訪れた約30人の聴講者は宗﨑副院長の話に熱心に聞き入っていた。講座を主催した福岡佛光山寺の吉沢浩毅会長は「乳がんは非常に身近な問題。この講座を契機に、参加者に検査の必要性を感じて欲しい」と話している。福岡佛光山寺では、数ヶ月に1回の割合で医療講座を開催している。